支援者が簡単に少額から寄付できる、寄付サービス「かざして募金」を活用している団体はどのような成果を出しているのだろうか。山元氏によるセミナーをふまえて、「かざして募金」の導入案や導入事例が発表された。
スマホアプリを利用した日本初(※1)の募金プラットフォーム「かざして募金」は、画像認証機能を利用して寄付ができる。ソフトバンクのスマホであれば、寄付金はケータイ料金一括払い、かつ、毎月の継続寄付も選択可能だ。ソフトバンクのガラケーやドコモ、auの携帯電話からもクレジットカード払いで寄付できる。
「かざして募金」の活用案の紹介では、、聴覚障がい者に生活の中で必要な音を知らせる「聴導犬」の育成と普及に取り組む、NPO法人 聴導犬普及協会 広報部の西野氏が登壇した。
寄付者の層が高齢者で占めていることが課題であったが、携帯電話やスマートフォンで寄付ができる「かざして募金」を導入したことで、30代、40代の若い世代へのアプローチにつながっているようだ。
具体的な取組みとして、すぐに寄付のお願いをするのではなく、まず団体の活動と「かざして募金」の利便性を知ってもらうことに注力。チラシやホームページ、ソーシャルメディアの周知に加え、職員の親せき・友人、ボランティア等の身近な支援者へ呼びかけることで、募金回数、平均寄付金額、寄付者の定着率が着実に伸びているとのこと。山元氏の話にあったように、まさに仲間を集めることがファンドレイジングにつながる好事例だった。
参加者全体を交えたワークショップでは、「かざして募金」への期待・要望書作成を実施。アプリをスマホにプリインストールしておくことや、寄付先を個別団体に決めることができない寄付者にとって全団体に配分する選択肢の導入などを提案。参加者がソフトバンクモバイルへの要望書をまとめることができた。
今後も非営利団体に素晴らしいツールを提供する企業は増えてくるだろう。一方で、縮小・停止するサービスが出てきていることも現実だ。非営利団体は企業が投げてきたボールに対して、しっかり投げ返すことができるのか、成果を出すことができるのか。いま、社会に問われている。