「ミレニアル世代」を対象とした有力な新興ニュースメディア5選

佐藤 慶一 プロフィール

2. Mic(ミック)

「Mic(ミック:旧PolicyMic)」は、2011年に立ち上がったメディアであり、30名以上のチームで、2000万人ほどの月間読者を獲得している。ハーバード大学とスタンフォード大学出身の2人が立ち上げ、政治関連の記事が中心ということが特徴のひとつ。

若い読者に読んでもらえるよう、アートやエンターテイメント、カルチャーにかかわる記事も多く発信しており、当初は「政治」と「アート」がメディアの軸だった。今年4月に1000万ドル(約10億円)の資金調達をおこない、6月には「Mic」としてリニューアルした。世界の情勢やスポーツ、音楽、アイデンティティといったカテゴリーを設置し、若者の総合メディアを志向している。

また、議論の場の設計として、独自のコメントシステムを導入しており、「Mics」という仮想通貨を利用して議論を展開できる。議論に対して有意義なコメントを投げかけると通貨を獲得でき、より長いコメントが可能になるなど工夫が施されていることにも注目である。

この1年でトラフィックは倍以上、ソーシャルメディアからの流入は65%、モバイル読者が60%とのこと。リニューアルにともない、データビジュアライゼーションの部署を創設するなど、ニュースの伝え方を試行錯誤していく方向性も楽しみだ。

http://mic.com/

3. The Daily Dot(デイリードット)

「The Daily Dot(デイリードット)」は、2010年にスタートしたメディア。テクノロジーやカルチャーなどインターネットコミュニティにかかわる情報を中心に発信している。月間訪問者数は1100万を超える。

目指すところは、「real journalism for the Internet age(インターネット時代の本物のジャーナリズム)」だ。その実現のため、20名ほどの編集チームと、30名ほどの寄稿者、11名のビジネスチーム、5名のエンジニアチームという60名ほどの体制でメディアづくりをおこなう。

最近の動きでは、今年1月に「The Kernel(カーネル)」というウェブカルチャーを伝えるイギリス発のネットタブロイドを買収した。こちらは、リニューアルを進め、8月にリスタートを切ったばかり。

カーネルは2011年に設立され、買収時には8名のスタッフで運営しており、当時の月間訪問者数は50万人ほど。今回のリニューアルでウィークリーマガジンとなり、「ハッカーとFBI」「幻想(ファンタジー)との戦い」をテーマにした特集をおこなっている。大きなテーマについて、長文記事をスローペースで更新していくスタイルだ。

カーネルでは1500~4000文字を目安とした記事を配信し、デイリー・ドット本体ではモバイルやソーシャル世代に向けた日々のトピックを伝えていく。新興メディア企業で、性質の違う2つの媒体を抱えているのは今後も含めて興味深いと感じる。

http://www.dailydot.com/