体中から血が噴き出し、あっという間に死に至る 殺人「エボラ出血熱」報じられない日本人感染ルート

週刊現代 プロフィール

実際、過去に経験のない「異常事態」に、現地は混乱を極めている。前述したような遺体の放置だけでなく、さまざまな噂も飛び交っているのだ。

「エボラは西洋の製薬会社がカネ儲けするために散布しているのだ」という陰謀説や「エボラを予防するには、塩水を飲んで、塩水で身体を洗うのが効果的」という流言も広まった。ナイジェリア在住の男性は、ドラム缶に塩を1袋入れた「塩風呂」に入り、塩1袋を溶かした水を飲んだあと、下痢と嘔吐を繰り返して死亡。地元ガーディアン紙によると、この予防法を行って3人の死者が出たという。

根拠のない噂、神頼み—こうしたことがまかり通ってしまうのは、病の原因となっているエボラウイルスが、殺人的な力を持つ「未知のウイルス」であるからにほかならない。

最初に発見されたのは1976年。すでに40年近くが経過しているが、治療薬やワクチンが開発されていないだけでなく、その生態や性質など、わかっていないことがあまりに多い。

「現在のところ、オオコウモリがウイルスの宿主ではないかと言われていますが、結論は出ていません。コウモリからサルなどの霊長類、その後ヒトにうつると考えられていますが、感染ルートなど根本的なところはわかっていないのです」(国立感染症研究所ウイルス第1部部長・西條政幸氏)

感染地域は徐々に、だが確実に広がっている。

今回の流行の発端は、ギニアのコウモリ猟のさかんな地域、ゲケドゥ県に住む2歳の男の子だった。発症した4日後に死亡し、続いて、母や姉が死亡。その葬儀に参列した住民、医療従事者へと感染したという。その後、隣国のリベリア、シエラレオネ、ナイジェリアにも拡大した。現地で活動していた米国人医師が感染してアメリカに搬送され、リベリアで宣教活動をしていた神父がスペインに帰国してから死亡。さらには、ベナン、シンガポールでも感染が疑われる患者が出ている。すでに被害は、欧米、アジア圏まで及んでいるのだ。

日本でもウイルスを防ぐための水際対策が強化されているというが、厚労省の担当者に聞くと、「空港ではサーモグラフィによる発熱の検査のほか、西アフリカから帰国した方に自己申告してもらうよう、積極的に呼びかけています」という程度。もはや、アフリカだけに目を向けた対策では、防ぎようのない事態になっているにもかかわらず、だ。

すでに日本にも……

そんな中、じつは「ある感染ルート」から、エボラウイルスが日本にやってくる危険性が高まっている。—それは中国からの感染だ。現在、シエラレオネで活動していた中国人医師と看護師8人が、感染の疑いで隔離されていることが明らかになっている。だが、それは氷山の一角に過ぎない。中国問題に詳しいジャーナリストの宮崎正弘氏が解説する。