体中から血が噴き出し、あっという間に死に至る 殺人「エボラ出血熱」報じられない日本人感染ルート

週刊現代 プロフィール

アフリカ各国でエボラ出血熱の治療にあたった米国ジョージア州のフランク・グローバー医師は、現地の様子をこう語る。

西アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱。そのウイルスの勢いはとどまることなく、急速に感染が拡大している。

世界保健機関(WHO)の発表によれば、ギニア、シエラレオネ、ナイジェリア、リベリア4ヵ国における感染者は1975人、死者は1069人に達する(8月13日時点)。過去最大の感染拡大を受け、8月8日、WHOは緊急事態を宣言した。治療薬や予防のためのワクチンはいまだ開発されておらず、発症すれば即、死に至る。まさに「最恐のウイルス」が、増殖を続けているのだ。

そのウイルスは、恐るべき獰猛さで、人間の体内のありとあらゆる臓器を蝕んでいくという。

一度体内に侵入すると、爆発的な勢いで増殖を始め、血液に乗って全身を支配する。進行するにつれ、血液を凝固させる成分が結集し、血栓を作り出す。それが、肝臓、腎臓、肺などに回ると、毛細血管が詰まり、血流が遮断。臓器の機能は停止する。

組織は壊死して融解していき、出血による点状の赤斑が皮膚に現れてくる。次第にそれは拡大していき、わずかな力が加わっただけで、全身の至るところから出血するようになる。歯茎、腸管、皮膚……凝固する能力を失った血液は、一度噴き出すと留まることなく流れ続けるという。結果、多臓器不全、大量出血によるショックで、感染者はまたたく間に死に至る—。

防ぎようがない

「エボラウイルスは、これまでに5種類ほど確認されていますが、今回流行しているザイール・エボラウイルスは、もっとも悪性度の高い種類で、致死率は最大90%にも達します。発症した患者に接触すると、簡単に感染します。非常に感染力が強いウイルスなのです」(前出・グローバー医師)

症状が現れるまでには2日から最長で21日を要するが、長崎大学熱帯医学研究所教授の安田二朗氏は、「潜伏期間中に感染する恐れもある」と言う。

「頭痛や発熱といった典型的な初期症状が現れる前でも、体内でウイルスは爆発的に増殖していくので、発症間近でも体液中のウイルス量はかなりの量になります。その段階で、感染者の体液に接触すれば、感染するリスクはあるのです」

NGO「国境なき医師団」から派遣され、7月までシエラレオネで医療活動をしていた看護師の吉田照美氏は、現地の様子をこう語る。

「施設に運ばれてくる患者は日を追うごとに増えていきました。搬送されて2~3時間で亡くなる患者さんもいます。我々のような外国人がエボラウイルスを持ちこんで広げているのでは、と疑いを持つ地元の人もいて、石を投げつけられたこともありました」