元米陸軍情報将校が明かす「中国による日本・台湾への武力侵攻の可能性」

『2020年日本から米軍はいなくなる』第3回

---軍事専門家から見ると、沖縄はどうなるのですか?

非常にヤバい状況になります。在日米軍が撤退する大きな理由の一つとなるでしょう。

とりわけ沖縄米軍ですね。

---中国は沖縄が欲しいのですか?

欲しいです。西太平洋への出口、それから、太平洋戦争と同じで、日本侵略の足掛かりになりますから。

---一番邪魔なのが、沖縄米軍。

まったくその通りです。

ほっといても米軍はいなくなる

1979年以降、沖縄に駐留する米空軍のF-15C部隊が、航空自衛隊の空中戦技術向上に与えた影響は大きい

---台湾が中国に獲られた場合ですが、具体的にどうなります?

沖縄米軍・嘉手納基地の米空軍は、航空優勢が崩れない限り、留まります。

---台湾から、どのような攻撃手段が、中国にはありますか?

長距離爆撃機は届きますが、戦闘機は・・・。

---大尉殿、民間航空のマイレージサービスを見ると、那覇-台北は407マイル=651.2キロで、戦闘機は十二分に届きませんか?

沖縄上空で、10分以内の戦闘しかできませんが、距離的には、思いっきり来られますね。

---さらに、宮古島の西隣りの下地島には、大型旅客機の離発着訓練用として、長さ3000メートルの滑走路を持つ空港があります。

そこを獲られたら、最悪です。沖縄は獲られたも同然です。嘉手納米空軍は、逃げるか、潰し返しに行かないとなりませんね。

---どこに、撤退しますか?

岩国、厚木、横田、三沢、または、国外ならば、グアムですね。

---さすが、マッカーサー元帥の言う、「台湾は空母20隻分の価値」です。

台湾が中国に獲られなくても、沖縄・嘉手納基地の航空優勢が崩れるケースがあることが、米空軍専門家たちに聞いて分かりました。

---それもBDA分析ですか?

そうです。

中国空軍が保有する、戦闘機の数です。

2020年日本から米軍はいなくなる』より抜粋
(本文写真/柿谷哲也、UAAF、USDOD、USMC) 

飯柴智亮(いいしば・ともあき)
1973年、東京都生まれ。元アメリカ陸軍大尉、軍事コンサルタント。16歳で渡豪、『ランボー』に憧れて米軍に入隊するため19歳で渡米。北ミシガン州立大に入学し、学内にて士官候補生コースの訓練を終了。1999年に永住権を得て米陸軍入隊。精鋭部隊として名高い第82空挺師団に所属し、2002年よりアフガニスタンにおける「不朽の自由作戦」に参加。"世界で最も危険な場所"と形容されるコナール州でタリバン掃討作戦に従事。03年、米国市民権を取得して04年に少尉に任官。06年中尉、08年大尉に昇進。S2情報担当将校として活躍。日米合同演習では連絡将校として自衛隊との折衝にあたる。09年除隊。現在、アラバマ州トロイ大学大学院で、国際問題を研究し、国際政治学のPh.D.(博士号)取得を目指す。

小峯隆生(こみね・たかお)
1959年、兵庫県生まれ。筑波大学非常勤講師、同大学知的コミュニティ基盤研究センター客員研究員。