[MLB]
杉浦大介「メッツ、トンネルの向こうに光は見えたか」

スポーツコミュニケーションズ

トゥロイツキーの獲得も視野に

 豊富に揃った先発投手のプロスペクトは、有用なトレードの駒にもなる。彼らを放出してカルロス・ゴンザレス、トロイ・トゥロイツキー(ともにロッキーズ)、スターリン・カストロ(カブス)といったビッグネームを獲得する噂は散々囁かれてきたが、引き金を引くときが来たのだろう。

 なかでも最もチームに適しているのは、メジャー最高の大型遊撃手であるトゥロイツキー。このトゥロイツキーは再び故障者リスト入りし、今季中の復帰が絶望となってしまったが、そんな今だからこそ逆にトレードをまとめるチャンスという見方もできる。毎年決まってケガをする遊撃手の獲得はリスキーだが、大きな成功のためには必要に応じて危険も冒さなければいけない。

地元メディアに囲まれるアルダーソンGM。より積極的に動く時が来た。

 ジー、ニース、ラファエル・モンテロといった3~4番手の投手を放出するか、あるいはウィーラー、シンダガードのようなエース候補の1人を出しても大改革に挑むか。今から来季の開幕までに、フロントの覚悟が問われることになる。

 負けると分かっていても戦わなければならないときがある代わりに、どんな犠牲を払ってでも勝利を手にしなければいけない季節もある。今季に“収穫”の公約を果たせなかった後で、メッツにとっての2015年は、絶対にプレーオフ争いに絡まなければいけない必勝の1年となる。

 ホップ、ステップ、ジャンプの“ジャンプ”の季節を、ニューヨークのファンは首を長くしながら待ち受けている。そのシーズンに、もしも今と変わらないロースターで臨むようなことがあれば、ニューヨークで最も献身的なメッツの支持者たちも、もう納得はしないはずである。

杉浦大介(すぎうら だいすけ)プロフィール>
東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、NFL、ボクシングを 中心に精力的に取材活動を行う。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボールマガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞』など多数の 媒体に記事、コラムを寄稿している。この3月に最新刊『MLBに挑んだ7人のサムライ』(サンクチュアリ出版)を上梓。
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