[MLB]
杉浦大介「メッツ、トンネルの向こうに光は見えたか」

スポーツコミュニケーションズ

「90勝」宣言も長すぎる低迷期

グランダーソン<右>の加入も大きな効果は生み出せていない。

 ただ……前記通り、もう長くプレーオフから遠ざかっているメッツにとって、今季は新たなステップの年ではなく、収穫のシーズンだったはずだ。 過去5年連続で負け越しを続け、90勝以上を挙げたシーズンは2006年以降はゼロ。そんなメッツが“本気で勝ちにいくべき年”として、数年来のターゲットにしていたのが2014年だったのである。

「今季の私たちにはシーズン90勝を挙げる力がある」
 2月下旬には、普段は大言壮語の少ないサンディ・アルダーソンGMがチーム上層部にそう伝えたと地元メディアが報道し、話題になった。

 ニューヨークという大都市に本拠地を置きながら、プレーオフ出場は過去25年中3度のみ。地元ファンもそろそろ痺れを切らしているのが正直なところで、“勝利に飢えている”と言っても大げさではない。そのチームが再び負け越しシーズンを経験しようとしているのだから、「今季また一歩、前に進んだ」などと悠長なことを言っているべきではない。

熱血漢のコリンズ監督はチームの姿勢を讃えてはいるが……。

「選手たちは全力を尽くしてきてくれた。もちろん成功は勝敗によって測られるもので、今以上に多くの勝ち星を挙げられていないことを残念に思う。ただできる限りのことはやってきたと感じている」
 テリー・コリンズ監督はそう語っているが、ファンもせっかちなニューヨークでは、ときに「ベストを尽くす」以上のものが必要なのは紛れもない事実である。

 牛歩の前進ではなく、目先の勝利を手にするために、延々と続く“育成期間”はそろそろ終わらせなければならない。具体的には、積極的な補強策は不可欠。8月中にもまだウェーバーを通過した上でのトレードはできるだけに、来季以降まで睨んだてこ入れが可能ならば取り組むべきである。