[BCリーグ]
富山・吉岡雄二監督「気持ちだけでは勝てないシーズン終盤」

スポーツコミュニケーションズ

成長につながる欲が出てきた髙塩

 一方、投手陣の方は疲労もあるとは思いますが、よく頑張ってくれています。特に先発陣は、たとえ1試合調子を崩しても、次の試合では復調し、悪い状態がズルズルと続くということはありません。なかでも、勝ち頭である髙塩将樹(藤沢翔陵高-神奈川大-横浜金港クラブ)は、現在リーグ2位タイの8勝(3敗)ですが、内容的には既に2ケタいっていてもおかしくありません。7日の石川ミリオンスターズ戦も6回まで2失点とまずまずのピッチングをしていました。打線も6回に同点に追いつき、ここからというところでしたが、残念ながら7回表2死のところで降雨コールドゲームとなってしまいました。

 髙塩は5月16日の福井ミラクルエレファンツ戦で初めて完投しました。しかも4安打完封したのです。さらに6月15日の石川ミリオンスターズ戦では延長10回を1人で投げ抜きました。髙塩は自分は普通に投げれば、1試合を投げ切ることができるとわかったはずです。だからでしょう。現在はいい意味での欲が出てきて、内容にこだわるようになっています。たとえ数字では抑えていても、自分の球やフォームに納得しないのです。こうした向上心は選手を成長させてくれます。

 しかし、これまでと同じ調整ではうまくいかず、結果が出ないこともあるでしょう。だからこそ必要なのが、自分に敏感でいること。これは髙塩に限ったことではありませんが、単にいつも通りやっているというだけでは、自分自身に鈍感になります。「これができていれば大丈夫」というように、1日の中で自分自身の調子を確認できるような具体的なバロメーターが必要です。そうすれば、自分の異変に気付くことができ、修正することができます。

 さて、前期は優勝したとはいえ、負け越したままでの優勝でした。そのために、選手たちは「勝たなければいけない」と、常にチームの勝利を最優先にしなければならず、何かやりたいことがあっても思い切ってトライすることができなかったはずです。ですから、後期はぜひ貯金がある中での戦いをし、選手たちには前期とは違う経験をたくさんして、成長していって欲しい。そして、最後は勝ち越しての優勝をして、胸を張ってプレーオフに臨みたいと思っています。

吉岡雄二(よしおか・ゆうじ)>:富山サンダーバーズ監督
1971年7月29日、東京都生まれ。帝京高校3年時にはエースとして春夏連続で甲子園に出場。夏は全5試合に登板し、3完封と優勝に大きく貢献した。打者としての素質も高く、高校通算本塁打数は51本を数えた。90年ドラフト3位で巨人に入団するも、右肩を手術。4年目の93年から内野手に転向した。97年オフ、交換トレードで近鉄へ。2004年の球団合併に伴い、新規参入の東北楽天に移籍した。09年にはメキシカンリーグでプレーする。10年オフに現役を引退。翌年、愛媛マンダリンパイレーツ(四国アイランドリーグplus)の打撃コーチに就任。14年からは富山サンダーバーズの監督を務める