私は約7年前の事件が現在も忘れられない。
2007年10月11日、有明コロシアムで行われたWBC世界フライ級タイトルマッチ、内藤大助と亀田大毅の一戦。それは、あまりにも酷いものだった。
ボクシングテクニックの差で劣勢に追い込まれた大毅は、タックル、ローブロー、頭突きなどの反則を次々に繰り出す。それはボクシングのルールを逸脱した醜い行為だった。
「ヒジでええから目に入れろ」
「タマ打ってもかまへん」
セコンドについていた彼の父・亀田史郎、そして兄の興毅が発する声も集音マイクに拾われていた。
何をしたっていい、反則によって相手が大怪我を負おうと、そんなことは知ったこっちゃない。俺たちが勝てばいいんだ。まるで、そう言わんばかりの傍若無人な許せない振る舞いだった。これはボクシングに対する冒涜である。
それ以降も、亀田サイドは身勝手な行動が目立った。そして、昨年12月の事件へと至るのである。