櫻井秀勲 第2回 「『金額はお好きなように』と差し出された小切手事件」

島地 勝彦 プロフィール

シマジ こういうことだよ。本郷さんとシバレン先生とおれが料亭で宴を持つと、請求書はおれのところに送ってもらう。それをおれが若菜さんのところへ持って行って処理してもらうわけ。もちろん若菜さんには本郷さんからちゃんと電話してくれているんだよ。その請求書の縁で若菜さんはおれの存在を知ることになったんだ。

立木 若菜さんはシマジの存在を知らなかったほうがよかったと思うけどな。

シマジ だいたい2ヵ月に1回ぐらいの頻度で料亭遊びを教わったんだけど、おれの年代では料亭はどうも敷居が高くて、自分から行こうという気にはなれなかったね。むしろほこりっぽい銀座の店のほうが好きだった。

ところで、櫻井さんは光文社をお辞めになったあと、小学館の相賀さんにお世話になったんですよね。

櫻井 ええ。相賀さんも立派なお方でした。わたしは光文社から小学館集英社グループに入るのは気が進まなかったんですが、相賀さんはそれを察したのか、自分のポケットマネーを出して祥伝社を作ってくださったんです。そしてビルも九段尚学ビルといって、小学館の持ち物ではなく相賀さんの個人ビルに入るように取り計らってくれたんです。

セオ 相賀さんという方は繊細かつスケールの大きな方だったんですね。出版社のオーナーはそうあるべきですね。

櫻井 わたしはこれまでに腹の据わったスケールのデカい人物に2人会っているんですよ。

シマジ へえ。櫻井さんが、肝が据わっていると感じるんだから、きっと相当な人物ですね。どなたですか?

櫻井 1人はもちろん相賀さんですが、もう1人は学研の古岡秀人さんです。

シマジ ああ、古岡さんですか。昔、よく銀座のクラブでお目にかかりました。