サプリメント・健康食品の「機能性表示」における新制度は、消費者にどのようなメリットをもたらすのか

 消費者庁は健康食品に含まれる関与成分が明らかにできないと、機能性を表示できない方針を示していますが、これについてはどう思いますか。

「関与成分がはっきりしていなくても、疫学的調査によって健康の維持増進に役立つものは多くあります。いくつかのハーブ類、ノコギリヤシ、プロポリスなどに代表されるように、関与成分は明確ではありませんが、人間の生活の知恵の上に、疫学的な科学研究の結果、体によいことは実証されています。こうしたものをきちんとした品質管理方法の下で、一定の製造方法で製造する事を担保することで、一定の品質のものを製造することができます」

「また、漢方薬でもどの成分が効くのか関与成分がはっきりしていないものがあります。漢方薬でも成分を分解していくと、個々の成分に効き目がなくても混ぜ合わせることで成分同士の相乗効果が生まれて薬として効きます。サプリや健康食品はあくまで『食品』ですから、その見地に立って、機能性をどのように表示するのか考えていくべきだと思います」

 日本の新しい制度はこれから始まろうとしていますが、今後はどのようなことが大切になりますか。

「肝心なことは、健康食品やサプリは薬とは違うということを、販売側が明示して、適切な医療を受ける機会を損なわれないようにすべきです。健康食品やサプリは病気を治癒させるために飲むものではありませんが、体質改善や食事で補えないビタミンやミネラルなどを補うためには効果があります。また、ビタミンやミネラルなど食事摂取基準に含まれる栄養素は、今回の制度にふさわしいかどうか、将来慎重に検討するということになっていますが、こういった栄養素は、不足している栄養素を補う一次機能の役割を超えて、いろいろな機能性が国費をかけて研究されています。また、海外も含め、最も研究され、多くの研究成果に支えられています」

「そうした研究成果を健康食品としての機能性にタイムリーに反映させ、国民の健康につなげていくことが非常に重要です。従って、今回の制度で門前払いにならずに、今後検討という立場を得られたことは意義深いものがあり、こうした、ビタミン・ミネラルといったものが食品の機能性表示の核として位置づけられていくことが重要になってきます」

「そうした教育啓蒙活動を業界が強化していくことに加えて、私個人の考えとして、品質を担保するGMP取得を義務化していくべきだと思います。GMP取得のためには、製造設備の更新、品質管理体制の整備や対応人員獲得のために投資が必要になります。これは消費者のために必要な投資だと考えるべきです。そういう意識のない企業は、売る資格があるかとさえ思います。しかし、この点については業界で足並みがそろっておらず、今後の課題になります。本来、規制緩和が持つ意味は、参入しやすくなる反面、責任も重くなるということです。業界全体がこうした考えの下で一致団結しなければ、悪徳業者は排除できませんし、消費者からの信頼も得られません。そうした意味で先駆者である米国の制度を日本が真剣に学び、良いところを採り入れ、それを進化させていく考えが重要になるでしょう」

提供:国際栄養食品協会(AIFN)