「これからの人生(セカンドステージ)のデザインになにより必要なのは、自分のこれまでの人生(ファーストステージ)をしっかりと見つめ直すことである。そのために最良の方法は、自分史を書くことである」。(『自分史の書き方』より)
熟年層や就活生を中心に昨今ひそかなブームとなりつつある「自分史」。自分の人生を知る最良の方法でもあるこの自分史の書き方のノウハウを、「知の巨人」立花隆氏が一冊の本にまとめたのが、その名もズバリの『自分史の書き方』(講談社刊)である。その一部をご紹介していきたい。
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「立花隆の自分史倶楽部」では、立花隆氏の著書『自分史の書き方』を参考にして「自分史」を書いた方の投稿を募集中です。
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(ア) 人は誰でも自分に関係した人を1000人以上持っている。
(イ) この1000人は何を意味するか?1000人(103:10の3乗)という数の、数の重さは?⇒世界中のどの2人も、1000人のクラスタを6つ経由すれば繋がるといわれている。1,0006(1000の6乗)=1018=一兆の更に百万倍:地球の総人口(100億に達していない)の1億倍以上。世界の人は壮大な人間マップの中で繋がっている。
(ウ) 世界全体で考えなくても、例えばこのセカンドステージ大学に来ている人も、入学前は直接には知らなかった人の間でも、友達の友達であった可能性はある。知らなくても繋がりはあるのだ。
(ア) 自分から見て、例えば10代さかのぼると、10代前の人は何人いるか?
210≒1,000人になる。更に遡ると
20代前まで遡れば100万人
30代前まで遡れば10億人:これは既に現在の日本の人口をも越えている。
40代前まで遡れば1兆人
(イ) これを逆に子孫の広がりに考えれば、子供が2人として、上記の数の広がりになる。結果として、われわれの殆どの人は先祖を介して横のつながりを持っている
(ア) 日本の戦後を支えてきた人は億のオーダーである。1億=108
(イ) 一方、例えばUSBメモリーでは最近ギガバイトを越える物が出ている。8Gバイト、64Gバイトなど。1G=109手のひらに乗る小さなメモリースティックに入れようと思えば、戦後を支えてきた数億人の名前を全て入れられる時代になった。
(ウ) スーパーコンピュータのメモリーは今はテラ(10の12乗)の時代である。自分史の総合が時代の歴史であるということを現実に処理しうる時代になりつつある
(エ) 宇宙の歴史(詳細は省略)は最近ようやく分かってきた。誕生があって、膨張して、いずれ消滅する。宇宙には物理的輪廻転生があるともいえる。
(オ) 人間の寿命は長くて120年といわれている。
(カ) ここに集まった人は年齢にばらつきが有り、また寿命も違ってくる。でも宇宙の歴史、地球の歴史、日本の歴史というスケールで見れば皆同時代人。
(キ) 年齢感覚を持つ
孔子の言った言葉、40歳:不惑50歳:知天命60歳:耳順
今の寿命に当てはめると、それぞれ+10歳ぐらいだろう
(ク) 参考図書山本風太郎『人間臨終図巻』
現在入手可能なものは、文庫本タイプ3分冊構成
歴史を見るときは、100年単位の大きな時の流れを掴んで欲しい。大きな目で見て欲しい。
(ア) 今を仮に明治年号で表現すると約140年(講義録作成者注:2008年は明治141年に相当します)。この140年を大きく分ければ、明治憲法の時代と昭和
憲法の時代に分かれる。2.26から1945年までの間は2つの政治権力の争いがあった。
(イ) われわれは大きくいえば20世紀人。20世紀冒頭に共産主義が台頭し、20世紀末に崩壊した。