ダマされていた!! 身近な「基準値」はウソだらけ

血圧も、水道水の安全基準も、食品の賞味期限も
週刊現代 プロフィール

「たとえば、生野菜サラダには消費期限が定められています。菌などの微生物がどれくらい増殖するか調べた検査の結果では、安全に食べられるのは50時間以内。しかし、10人のパネラーによる試食検査が行われ、『美味しく食べられるのはシャキシャキ感が残る36時間以内だから』と、それが基準値になった。消費期限にもかかわらず、科学的な検査よりも、食べた感じで期限が決まったんです」(『基準値のからくり』の共著者・産業技術総合研究所主任研究員の小野恭子氏)

実は、賞味期限の設定には、コストの問題も絡んでくる。賞味期限を決める検査は、長い期間が必要なためカネもかかる。大企業ならまだしも、中小の企業は、とてもじゃないがいちいちそんな検査はしていられないという実態がある。

それを考慮した農水省は類似した商品の賞味期限については、個々の食品ごとに検査をしなくてもよいとした。つまり、多くの食品が、検査をせずに、似た商品から類推して賞味期限を設定されている。

実にいい加減に見える一方で、こんな現状もある。

「とくに菓子類などによく見られるのですが、商品の販売サイクルを早めたり、在庫を回転させ営業利益を上げるためにも、検査ででる結果より賞味期限が短く設定されることも多いんです。科学的な根拠とは縁遠いところで、現場の判断で決まってしまう」(小野氏)

期限切れの商品が、必ずしも「マズい」とは限らないのだ。

基準値のからくり』には、他にも、塩分の一日の摂取量、PM2・5、残留農薬、ペースメーカーと携帯電話の距離についてなど、さまざまな基準値の実例が紹介されている。

結局、身近な基準値はウソだらけ。数字に一喜一憂せず、ストレスなく生きることが、一番安全な「健康の秘訣」かもしれない。

「週刊現代」2014年7月29日・8月2日合併号より