起業家が業界の巨人に闘いを挑むには?

『現代ビジネスブレイブ リーダーシップマガジン』---リチャード・ブランソン「世界を変える経営」より
〔PHOTO〕gettyimages by Thinkstock

既存商品を超えられないなら、闘う理由はない

巨大企業からビジネスを奪い、市場での地位を競い合おうとすることは、小さな会社にとっては大冒険です。しかし、もし勇気ととびっきりのアイデアがあれば、その闘いは起業家にとってもっとも報われる事業のひとつともなります。その成功は、単に新しいビジネスを築くだけではなく、イノベーションを刺激し、競争を促し、消費者を豊かにするのですから。

巨大企業に挑む前に、闘う相手をしっかりと認識しなければなりません。まず、できる限りその産業分野を研究し、ライバルがうまくやっている理由と方法を知ることが重要です。自社の製品やサービスが、他社ブランドとどう差別化できるのかを中心に、独自の市場調査を行うべきでしょう。要するに、既存のものよりも、もっといい商品を提供できないなら、闘う理由がわからない、ということです。

たとえば、私たちがヴァージンコーラを起ち上げたとき、周囲からは、コカ・コーラと競争するなんて「まるで血液銀行と出血サービスの競争をするようなものだ」と言われました。ヴァージンコーラは良い商品でしたが、コカ・コーラを圧倒的に凌駕する、というところまではいきませんでした。起ち上げ当初の業績は好調でしたが、コカ・コーラがヴァージンコーラをつぶそうと、資力にものを言わせはじめると、たちまち売り上げは落ち込みました。

一方、英国の鉄道事業であるヴァージントレインが、利用客の乗車時間を短縮しようと振り子式で車体が傾斜する電車を導入し、宣伝をはじめたときはどうだったか------。そのアイデアがあまりに革新的だったため、冗談扱いをする人もいたほどです。

確かに、旧式の鉄道に振り子式の車体傾斜車両を導入するのは不可能な話でした。しかし私たちは、自分らのやり方に間違いはない、と確信しており、実際に事業が成功するまでにそれほど時間はかかりませんでした。

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