朝比奈一郎×猪子寿之×小沼大地×高木新平×堀潤【前編】 「自分なりに問題意識をもち、真正面から立ち向かう瞬間がすごく重要だ」

*アメリカ大使館×クーリエ・ジャポン 2020年の自分へ─「働く」をデザインする時代に向けた怒濤の5時間生討論(リンク先はニコニコ動画)
堀: 第3部は「実践者の流儀・・・仕事を追え、仕事に追われるなーグローバルと仕事のソモソモ論ー」というテーマです。自分の天職はどのようにして見つけていけばいいのか、これまでもさまざまな方が語ってくれましたけれども、パワフルな4人のゲストの方をお招きしています。
最初に紹介するのは、人材育成・政策提言などを通して日本を変えるために活動している青山社中株式会社代表・朝比奈一郎さんです。朝比奈さんはもともと霞ヶ関の官僚だったんですよね。

朝比奈: そうです。14年ぐらい経済産業省にいました。
堀: 入省したのは通商産業省(現: 経済産業省)。
朝比奈: そうですね。「通常残業省」とも呼ばれていますが(笑)。
堀: 霞ヶ関を脱藩してやっていくというのは、どうしてだったんですか?
朝比奈: 霞ヶ関の人間が、朝から晩まで必死に働いているんですが、あまり結果は出ていない。僕は「成績のあがらない受験生」と呼んでいるんですが、優秀な人が集まって、財政問題や景気、少子高齢化をなんとかしなきゃとやってるんですけど、なかなか結果が出てこない。政策の決まり方を変えたほうがいいんじゃないかと思って提言したり、総理大臣に訴えたりしていたんです。一部はうまくいったんですが。
堀: 総理大臣に訴える、というのは具体的にどういうことですか?
朝比奈: 具体的には、組織のありかた、人事制度のありかたを提言として本で出版したりですね、それを「直訴」でもないんですけど、政権幹部に持って行ったり。こういう活動を中からなんとかできないかなと思い、「プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)」を立ち上げ、僕は7年代表をつとめました。中からできる改革への道筋はつけたという想いがあり、2010年の終わりからは日本の活性化を外からやろうと考えて「青山社中」という会社をやっています
堀: これまでのところ、個人の生き方としての選択の話をしていて、労働観の話は出ているけれど、仕組みの話はあまり出ていません。どうぞよろしくお願いします。