2014.07.11

[虎四ミーティング~限界への挑戦記~]
福田正博(サッカー解説者)<前編>「ブラジルW杯、ザックジャパン惨敗の要因」

スポーツコミュニケーションズ

こだわりすぎてしまった“自分たちのサッカー”

二宮: パスゲームは日本の持ち味ですが、勝負どころでは多少の強引さも必要だと映りました。
福田: その通りだと思いますね。僕も含めて“日本のサッカーはパスを回すこと”ということに捉われすぎ、選手たちもそこにこだわりすぎていた気がします。“パスを回すことができれば勝てる、パスを回さないとダメなんだ”と。しかし、相手は簡単にプレーさせてくれませんし、他の要因も絡まってパスサッカーができない時もあります。そんな時は、状況に応じてプレーの判断、戦い方を変えていかなければいけません。ただ、日本は引き出しを持っていませんでした。また、攻撃で第一に優先すべきはシンプルに攻めることです。一番ゴールに近い選手を見て、そこにパスを出せないから、近い位置にいる味方に展開します。それが、今回の日本代表はどうもパスサッカーにこだわるあまり、攻撃の優先順位を見失っていた気がします。

二宮: 点をとるための手段であるパス回しが、目的化してしまったということでしょうか?
福田: そういう気がしてならないですね。ギリシャ戦のみならず、日本は3試合を通じて、前にボールを運ぶ、シュートを打つ、縦パスを入れる、ボールを保持している選手を追い越して縦にランニングする……そういったゴールに向かっていくプレーがあまりにも少なかったです。

二宮: 横パス、バックパスが多く、逆にドリブルなどでペナルティー・エリア(PA)内に突っ込んでいく選手は少なかったですね。
福田: サッカーは陣取り合戦のような要素もあるので、ボールを前に運べないと話になりません。当然、その過程でボールを奪われるというリスクもあります。しかし、リスクを負わないと、成果を得られません。日本はリスクをかけずにゴールを奪おうとしていたように映ります。そのことが残念でなりません。

二宮: 奇跡のGL突破を狙ったコロンビア戦は1-4の大敗。ボール支配率では上回りましたが、決定力の差は如何ともし難かった。
福田: 1戦目、2戦目でできなかったことを、3戦目ですべてやろうとした結果だと思います。1戦目で打てなかったシュートをたくさん打つ、2戦目で少なかった縦パスをどんどん入れる、という風に。しかし、重要なことはそれら2つではなく、ゴールをとることなんです。たとえば、シュートを打つ場面で、パスを出したほうがゴールを奪える確率が高いのであれば、パスを選択しないといけません。3戦目はゴール前での冷静さ、ゲーム運びなどの“判断”が欠如していた。また縦への意識を強めすぎたことで、後半はカウンターから失点を重ねてしまいました。

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