[サッカー]
大野俊三「守りでも“日本らしさ”の追求を」

スポーツコミュニケーションズ

規律のなさが生んだ焦り

 そして、もうひとつ気になったのは守りにおける規律のなさです。立て続けに2点を奪われたコートジボワール戦しかり、勝利を求められながら先に失点したコロンビア戦しかり、点の獲られ方が非常に悪すぎました。

 コロンビア戦では先制点につながるPKを与えたDF今野泰幸の対応がミスと指摘されています。確かにあのスライディングは安易でした。もっと我慢してついていき、ファーサイドのコースを切っていけば、シュートは簡単に打てなかったでしょう。

 しかし、彼がなぜあんなに焦ってファウルを犯してしまったのか。それはチーム全体で守備が機能していなかったことも一因だと感じます。コロンビア戦では全体が間延びし、相手に前を向いてプレーするスペースを与えていました。コロンビアはワイドに広がって、日本の組織だった守りを分断しようとしていましたから、その術中にはまってしまったとも言えるでしょう。

 ただ、それは組織で修正し、対抗できる問題です。でも、なかなか前からプレスをかけられず、相手の個人技が生きる状態になっている。それは後ろから見ている最終ラインの選手なら気づいていたはずです。だからこそ、余計に「止めなければやられる」との心理が働いてしまったように思います。

 勝ち越し点を奪われた後半10分の場面も、ボールを奪われた後の対応がすべて後手にまわりました。サッカーにおいてはボールを取られないことも大事ですが、奪われた後のプレーがもっと大事です。たとえボールを失っても、すぐに連動し、奪い返す態勢が整えばピンチを最小限に食い止めることができます。