エースや4番打者よりプロ野球この曲者たちが面白え!
ヤクルト・雄平広島・一岡
中日・大島阪神・上本オリックス・佐藤達
日ハム・大引楽天・福山ほか

週刊現代 プロフィール

「ひたすらカットを繰り返し、四球を選んでガッツポーズをしていた、花巻東の2番打者です。『セコい』と言われましたが、ピッチャーにとっては、あれほど嫌な作戦はありません。

今年の阪神には、あれをプロとしてより高度にやる選手がいる。たまらんですよ」(セ・リーグのあるスコアラー)

今季、阪神の不動のリードオフマンとして活躍する上本博紀(27歳)である。

広陵高校時代の恩師・中井哲之監督が語る。

「彼は間違いなく天才です。プロとしては体が小さいですが、それを補って余りあるほど野球IQが高い。自分が何を求められているのか、相手が一番嫌なことは何か。そういったことが瞬時に判断できる。

上本が今季使っているのは、850gのバット。これはプロの平均より、約50gも軽い。長打を捨て、くさい球はカットを繰り返し、出塁率を上げることだけを考えているんです。彼ほどセンスがある選手が、塁に出ることに徹する。これは相手チームにとって脅威でしょう」

上本は曲者らしく、バッティング理論も独特だ。

「右打者の場合、バッティングには二通りのタイプがある。右手で押しこむか、左手で払うかです。しかし上本はこのどちらでもない。『自分は両手の力を均等に使います』と言っていましたね。力負けしないように、創意工夫した結果、そのスタイルになったようです」(中井)

神に愛された2番打者

生き残るため、泥にまみれることを選んだ選手がもう一人。中日・大島洋平(28歳)だ。

一昨年は打率3割超えを達成し、盗塁王も獲得。しかし昨年は肘を痛め、打率・248と大幅に成績を下げ、盗塁数もわずか19に終わった。そのオフ、落合GMから告げられたのは、「25%減俸」という非情な契約だった。

「野球協約に定められた、減額制限いっぱいのダウンです。この提示には『次も成績が上がらないならクビ』というメッセージが込められていた。走れない1番打者なんてこのチームにはいらない、というわけです」(中日球団関係者)

これが大島を変えた。

「大島は、足は速いがスタートは遅い。実は盗塁王を獲得した'12年も、盗塁成功率は約65%と低かったんです。しかし今季は、辻発彦走塁コーチに弟子入りし、スタートの切り方からピッチャーの癖まで、マンツーマン指導を受けた。そのおかげで、成功率約85%(12盗塁)に達しています。いまや大島は、相手チームにとって、絶対に塁に出してはいけない選手になりました」(前出の関係者)