「総合商社で働きながらNPOの理事をするのは、ロジカルなキャリアだと思っています」---パラレルキャリア実践者に聞く【前編】

安藤 光展

ビジネスとソーシャルの境界線はなくなっていく

安藤: そうなると、もはやビジネスもソーシャルも境界線はなくなりそうですね。

日野: 実際、そういう場面はあると思います。途上国での教育支援も社会貢献を前面に出すわけでもなく、ビジネスのスキームで行っている会社もありますよね。

だから、ここからはビジネス、ここからはソーシャルという区切りではなく、企業やクラスタという枠を超えてつながりを構築していく、NGOや企業を超えたネットワークを作りたいですね。

昔、衣食住を満たすためのモノを作って売ることで、大きな満足感が得られた時代がありました。今はこれだけモノが溢れている世の中になり、モノを作って売るだけでは満たされなくなってきているのかもしれません。

次のステージにきているのでしょう。それが、社会性という価値を感じるのかもしれない。幸福の定義、満足感のステージも変わってきているのでしょう。だから、日本でもNPOとかソーシャルセクターという領域のキャリアが注目を集めているということもあると思います。

資本主義社会の中で経済原理を起点し行動するのが悪いとは言いませんが、NPOの価値観もビジネス的な価値観も持ち合わせるハイブリッドな人間必要になってくる。

ハイブリッドな人間を増やす事もそうですし、自分自身もハイブリッドであり続けるために、総合商社で働きながらNPOの理事をするのは、ロジカルなキャリアだと思っています。年齢に関係なく、ビジネスセクターの人は"幸福感"を求めるために、ソーシャルセクターにチャレンジする人が増えるといいですね。

【取材協力: CSRビズ

執筆:安藤光展(あんどう・みつのぶ)
CSRコンサルタント/ブロガー。専門はCSR(企業の社会的責任)におけるコミュニケーションの戦略立案。社会貢献系ウェブメディアの運営支援から、CSR研修講師、CSR関連の書籍・コラム執筆など。6年目に突入した個人ブログ「CSRのその先へ」を運営。著書『この数字で世界経済のことが10倍わかる–経済のモノサシと社会のモノサシ』(技術評論社)ほか。