Kiel Berry×Hannes Graah×西川翔陽「音楽業界の構造が変わってきている今だからこそ、ビジネスを拡大するチャンスがある」

Global Shapers Session 2014

「デジタル配信やライブも含めて『音楽がどれだけ聴かれているか』という音楽の量だけを考えたらすごい勢いで伸びており、その視点に立てば今は『音楽の黄金時代』だとも言えます。今はいろんな形で音楽を楽しんでいる人たちが世界中にたくさんいるという時代なんです」(Hannes Graah)

また、アーティストにとっても、既存のフォーマットに合わせて限られた表現しかできなかった所有モデルよりも、アクセスモデルのほうが自由にクリエイティビティが発揮できるというプラスの側面があると言う。例えば、音楽業界ではアーティストは1年に1枚アルバムをリリースし、1曲は2分〜5分程度といった常識のようなものがあるが、1週間に1曲リリースすることもできるし、1曲2秒であっても5時間であっても、そこに制限はない。表現方法だけではなく、アーティストが独自のビジネスモデルを構築して、プロモーションやマネタイズをしてくことだって可能だ。

例えば、先月Spotifyで配信が始まった伝説的なロックバンドLed Zeppelinは、1曲だけを限定配信し、200万回ダウンロードされたら他の曲もリリースするというキャンペーンを打ったところ、わずか48時間で達成した。このキャンペーンは話題を呼び、Led Zeppelinの既存のファンはもちろん、それ以外の人たちにも彼らの音楽を聴いてもらうことに成功した。

音楽を通じて、社会に貢献する

アーティストが音楽を提供する手段としてクラウドファンディングも注目されている。モデレーターの西川はNeil Youngの取り組みを例に挙げた。Neil Youngは「Kickstarter」で、アーティストが録音した音楽を最も高音質なフォーマットで届けるエコシステム「PonoMusic」のプロジェクトを立ち上げ、587万ドル (約5億9600万円)を調達した。それだけアーティストが持つ影響力は大きい。

「クラウドファンディングによって、若いアーティストはコンテンツ作成やプロモーションなどに必要な資金面のリスクを軽減することができます。資金を集めるという側面だけでなく、商品ができる前から、消費者であるファンを巻き込んで、一緒に創っているという感覚を提供することだって可能です。また、影響力のある大物アーティストは行動を呼びかけることによって、コミュニティをつくり、世の中をポジティブに動かしていくことだってできる。今後、そういった社会への働きかけも積極的にやっていくべきだと思います」(Kiel Berry)

影響力を持つアーティストだからこそ、世の中にメッセージを伝え、行動を促すことができるのだ。

LINKIN PARKは2005年、自然災害救済のための基金「Music For Relief」を立ち上げ、音楽活動によって得た資金を救済が必要なところへ届けるという活動を行っている。東日本大震災時には、B'zとコラボ−レーションをして、 チャリティコンサートを開催。その利益35万ドル(2700万円)は100%、国際援助団体(NGO)セーブ・ザ・チルドレンを通じて、3.11の被害を 受けた子どもたちに届けられた。その他、フィリピンの災害時にもチャリティコンサートを行い、1日50万ドルを集め、現地に届けている。

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