Kiel Berry×Hannes Graah×西川翔陽「音楽業界の構造が変わってきている今だからこそ、ビジネスを拡大するチャンスがある」

Global Shapers Session 2014

人とのつながり方の変化によって、ビジネスチャンスも広がった

インターネットが普及した2000年以降、音楽を消費する方法はフィジカルなCDの"所有"から、デジタルへの"アクセス"へと変化した。2012年を境にデジタル配信が、CDなどアナログレコードの売上を超えており、世界最大の音楽市場である米国では、環境変化に伴い急速に市場規模は縮小してきた。

音楽業界に関わる者であれば嘆きたくなるであろうこの現状を、2人は前向きに解釈する。

「音楽を消費する手段、音楽業界だけでなく、人と関わる方法、社会が変わってきているということだと思います。例えば、物理的に会うことでつながっていた社会から、オンラインでつながるといったように、"人とのつながり方"に変化が起きています。これは、LINKN PARKにとっては、ファンの人たちとつながる方法が増え、音楽以外の分野での展開など、マネタイズの方法、つまりビジネスチャンスが拡大したということなんです」(Kiel Berry)

この発想から、LINKIN PARKは様々な方法でファンとのコミュニケーションを図っている。例えば、Facebook上のファンコミュニティの活用。現在、6100万人いるFacebookフレンドのうち80%がゲームをしているということがデータでわかった。Kiel Berryはそこに注目し、Facebookのゲームを通じて集めたポイントが貯まると新曲が聞けるという仕組みをつくり、新たな曲のリリース方法にチャレンジした。しかも、このゲームは国連とコラボレーションで開発され、森林保護の啓蒙活動という側面も持つ。曲を単純に楽しむというだけでなく、曲を通じて人との関わりが生まれ、そこにコミュニティができ、さらにメッセージを伝えることもできるというわけだ。

他にも、LINKIN PARKは、日本のスタートアップBeatroboと提携し、近年増加中のスマートフォンやタブレットユーザーに向けたCDやUSBメモリの替りとなるコンテンツメディア「プラグエア」を公式のファングッズとして販売。LINKIN PARK限定プラグエアデバイスを購入すると、LINKIN PARKの限定配信動画、未公開楽曲、アプリ、グッズなど多くのコンテンツがファンに提供される。

このようにKiel Berryは、社会、音楽業界の変化をLINKIN PARKにとってのチャンスと捉え、そのファン、市場を拡大している。

音楽がどれだけ聴かれているかを考えたら、今は黄金時代

Hannes Graahは、2013年にヨーロッパで12、3年ぶりにずっと減少傾向にあった売上が回復基調に戻ったことを挙げ、ようやく音楽業界が構造を変えてきていることに希望を見出す。そういった音楽業界の成長をけん引しているのがまさにSpotifyのようなデジタル配信だ。

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