[サッカー]
白戸太朗「ワールドカップ狂奏曲!?」

スポーツコミュニケーションズ

スポーツがとりもつ平和への道

 そんな中、胸の痛む報道もある。ナイジェリアでは、テロに狙われるという理由からW杯のPV(パブリックビューイング)を禁止したという。「国民にW杯を見させないためじゃない。彼らの命を守るためだ」という当局のコメントを聞くと、安全に生活できている有難さをあらためて感じる。

 そんな国ナイジェリアでも、サッカーW杯は人気だし、皆の夢となる。スポーツは人々の心を一つにしたり、調和をとりもつ力、人を惹き込む力がある。このW杯を通して、一時的でも争いが収まるのであれば素晴らしい事だと思うし、そんな力を信じたい。

 日本を破ったコートジボワールも、いまだ政情不安に揺れている。内戦の最中に、コートジボワール代表が初のW杯出場を勝ちとった9年前のドログバ選手のコメントが重い。「私たちは、この国の人々とともに生き、同じゴールに向かいプレーできることを証明した。次は皆さんがやってみてください。武器を置いてく ださい」と内戦停止を訴えたのだ。彼がなぜサッカーを超えた国のヒーローだと言われるのかがよく分かる。そして平和がいかに尊いものであるかも伝わってくる。

 W杯を通して、素晴らしいプレーを沢山見て、仲間と大声を上げて応援し盛り上がるのも大切だ。それとともに、世界を見たり感じたりするきっかけになるならば、さらに素晴らしい3週間になるだろう。

 まだまだ寝不足の日々は続く……。

<白戸太朗(しらと・たろう)プロフィール>
 スポーツナビゲーター&プロトライアスリート。日本人として最初にトライアスロンワールドカップを転戦し、その後はアイアンマン(ロングディスタンス)へ転向、息の長い活動を続ける。近年はアドベンチャーレースへも積極的に参加、世界中を転戦していた。スカイパーフェクTV(J Sports)のレギュラーキャスターをつとめるなど、スポーツを多角的に説くナビゲータとして活躍中。08年11月、トライアスロンを国内に普及、発展させていくための新会社「株式会社アスロニア」の代表取締役に就任。昨年1月に石田淳氏との共著で『挫けない力 逆境に負けないセルフマネジメント術』(清流出版)を出版。
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