為末大×遠藤謙×太田雄貴×栗城史多×菅原聡【前編】「スポーツを通じて、社会課題をどう解決していくか」

Global Shapers Session 2014
グローバル・シェイパーズ・コミュニティ

菅原: 太田さんも映像を使われていましたよね。

太田: ライゾマティックスとの企画ですね。パフュームなどの映像も手がけられている真鍋大度さんと電通とフェンシングの掛け合わせで映像を作って、オリンピック招致のプレゼンで流しました。剣や体全部にモーションキャプチャーをつけて、360°から画像を動かしながら、剣の軌道などを限りなくわかりやすくしたんです。IOCの会長が元フェンシング選手であったということもあり、招致のタイミングでこの映像を作ったのですが、すごく好評だったので、2020年に向けて、継続的にやっていこうということになっています。

フェンシングなどマイナースポーツでルールがわかりにくい競技において、できるだけルールをわかりやすくするためにテクノロジーを用いることができるのではないかと思っています。映像の力を借りて、そのスポーツのすごさを伝えることが出来ると思いますし、今後そういったものの必要性は高まっていくんじゃないかと思いますね。

菅原: テクノロジーが進むことでマイナースポーツの普及にもつながっていったら面白いですよね。

太田: 逆にそこをしないとマイナースポーツはどんどん淘汰されます。少子化が進んでいるので、そもそものパイが少ないですし。オリンピックは今肥大化していて、スリム化を図ろうとしているので、例えばレスリングが除外リストに入ったのですが、ガバナンスなどの問題もありますが、競技をわかりやすく見せることを競技団体が怠ったという側面もあると言われていました。フェンシングも2000年のシドニーオリンピックの際にそのリストにあったんですね。観客にわかりやすく見せることを怠った段階でオリンピック種目から外される可能性もあるので、テクノロジーとの掛け合わせを含め、わかりやすく伝えていかなくちゃいけないと思っています。

 

すべての人の動く権利を守るサポートをする

菅原:為末さんと遠藤さんが義足の会社を始められるきっかけというのはなんだったんでしょう?

為末: もともと僕はスポーツの領域にはあんまり興味がなくて、スポーツの使い方に興味があるんです。引退したときにITの会社をやろうと思ってアメリカにいたんですが、いろいろ考えていくと、スポーツ選手であったということが一番の資産だと思うようになったんですね。僕はスポーツが一般社会にどう活かされるに興味があるんです。例えば高齢化になって80歳以上の方となると障害者の人たちも増える、そういう時代をどう生きていくべきなのか。サイボーグが当たり前の時代になると思うんですが、そういう領域に興味があります。そういった未来を見込んだうえで、この会社をやっています。

まずは競技用義足ですが、僕はすべての人に動く権利があると思っているので、それをサポートするものを作っていきたいと思っています。

菅原: 競技から生まれた技術が一般の生活者にも活かされていくというのは面白いですよね。遠藤さんはインドでも義足の会社をやっていると伺ったんですがどんなことをやっているんですか?

遠藤: 技術支援ですね。インドのジャイプール・フットというNPOが20ドルくらいの義足を配っているんですね。日本だと安全基準が厳しくて絶対壊れないものを作っていて、社会保障ありきで膝下で30万くらいするんですが、その強度を妥協してでも、その地域の使用者の経済状況にあった価格で販売しようということなんです。僕はそれと同じ値段で、機能性が良いものを現地の材料と現地の加工精度で作れたらどういうものか、ということを一緒にやっています。

編集部からのお知らせ!