為末大×遠藤謙×太田雄貴×栗城史多×菅原聡【前編】「スポーツを通じて、社会課題をどう解決していくか」

Global Shapers Session 2014
グローバル・シェイパーズ・コミュニティ

テクノロジーと掛け合わせたスポーツの可能性

菅原: 2020年東京にオリンピックと同時にパラリンピックもくるということで、最近は技術と競技の融合がパラリンピックだとも言われていますが、技術が発展することで、健常者よりも義足をつけた選手のほうが結果が良くなるということもあるんじゃないかと思うのですが……。

遠藤: 北京オリンピックでオスカー・ピストリウスが裁判になったときに、疾走時の計測を見させてもらったんですが、ものすごい走り方をするんですね。健常者とは全く違う体の動かし方をしつつ、なおかつ速い。義足は突き詰めれば、ものすごく速くなるものが作れるな、とその時感じました。そして、ロンドンパラリンピックの200m決勝で、負けるはずがないと思われていたオスカーが負けてしまったんです。さらに、ロンドンパラリンピックで11秒台で走っていた選手が、去年10秒57という世界記録を短期間で更新したんですね。走り幅跳びでも100Mを12秒で走る選手が7M95という記録を出しているんです。これは、義足で健常者の記録を超える日も近いな、と感じています。

為末: 参考までに日本記録が8M25cmです。あと30cm。100Mは僕の記録が10秒49なので、僕ももうじき抜かれます。

菅原: 栗城さんもインターネットを使った中継をしていますが、登山とテクノロジーの関係ではどんな可能性がありますか?

栗城: 今はGPSがすごく発達してきていて、ボタン一つで「ここにいる」というのがわかるようになってきています。僕自身のことで言えば、ヒマラヤからリアルタイムで配信するときには、エンジニアを集めて機材やインフラを自分たちで作り、ベースキャンプから8kmくらい離れた登山中の栗城に電波を飛ばして、それから衛星回線で映像を日本に送ります。2008年からやっているのですが、映像配信することで応援してくれる人たちもどんどん増えていきました。スポーツでも、例えばあまりメジャーじゃないものでも映像配信をしてファンを獲得していくことも可能になると思います。そういう意味で、スポーツとテクノロジーというのは今後ますます切り離せないものになってくるんじゃないかと思っています。

 

ちなみに映像配信に関しては、常に最先端なことをやりたいと思っていまして、2012年のエベレストではマルチコプターというラジコンヘリを飛ばしました。標高5000Mだとラジコンヘリは飛ばないんですが、飛ばせるものをニュージーランドとドイツで開発しました。いずれ僕はそれに乗りたいです。

為末: そしたら登山じゃなくなっちゃいますね(笑)

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