[サッカー]
田崎健太「W杯優勝メンバーが抱くセレソンへの不安」

スポーツコミュニケーションズ

CBの安定感は強みに

 チーム内外の厳しい目がセレソンを団結させたというのは、元横浜フリューゲルスのジーニョも同意見だ。ジーニョもまた94年の優勝メンバーである。
「あのとき、セレソンに対して周囲が非常に懐疑的で、守備的だという批判もあった。だからこそ、ぼくたちは結果を残さなくてはならないと言い合ったものだ」

 ただ、今回のセレソンが優れている点もある。
 ブラジルは攻撃的な選手を多数輩出してきた。センターバックでさえも、攻撃参加を得意とする選手もいた(かつて、センターバックだったジュニオール・バイアーノがスルーパスを受けた試合を観たこともある!)。過去と比べると、ダビド・ルイスとチアーゴ・シウバという、ここまで安定感のあるセンターバックがセレソンに2人揃うことは珍しい。

 そうした意味では、固く守り、点を獲る――ブラジルらしいサッカーではないが、大会を進むうちにチームとして成長する可能性はある。何と言っても、監督のフェリポン(フェリペの愛称)は、セレソンを02年日韓W杯優勝、06年ドイツW杯はポルトガル代表をベスト4に導いた最高の経験があるのだから――。

■田崎健太(たざき・けんた)
 ノンフィクション作家。1968年3月13日京都市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。『週刊ポスト』編集部などを経て、1999年末に退 社。著書に『cuba ユーウツな楽園』 (アミューズブックス)、『此処ではない何処かへ 広山望の挑戦』 (幻冬舎)、『ジーコジャパン11のブラジル流方程式』 (講談社プラスα文庫)、『W杯ビジネス30年戦争』 (新潮社)、『楽天が巨人に勝つ日−スポーツビジネス下克上−』 (学研新書)、『W杯に群がる男たち—巨大サッカービジネスの闇—』(新潮文庫)、『辺境遊記』(絵・下田昌克 英治出版)、『偶然完全 勝新太郎伝』 (講談社)、『維新漂流 中田宏は何を見たのか』(集英社インターナショナル)、『ザ・キングファーザー』(カンゼン)。最新刊は『怪童 伊良部秀輝伝』 (講談社)。早稲田大学講師として『スポーツジャーナリズム論』『実践スポーツジャーナリズム演習』を担当。早稲田大学スポーツ産業研究所招聘研究員。
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