[サッカー]
田崎健太「W杯優勝メンバーが抱くセレソンへの不安」

スポーツコミュニケーションズ

屈辱の経験が生んだ94年大会優勝

 セレソン(ブラジル代表)に対する不安は、識者からも聞いた。1994年アメリカW杯の優勝メンバー、ジウマールはこう言う。
「ブラジルは才能ある選手が沢山いる。優勝を狙うことだってできるだろう。ただ、選手はみな若く、経験がない。W杯は他の大会と違う。あのプレッシャーに慣れた選手が今回のセレソンには少ない」

 王国の10番を背負うネイマールは、今回が初めてのW杯。彼がブラジルサッカー界で注目されたのは、2010年南アフリカW杯の直前だった。だが、すでにチームが固まっていたこともあり、監督だったドゥンガはネイマールを代表に入れなかった。オスカー、フッキ、あるいはルイス・フェリペ・スコラリ監督のサッカーの「肝」と言えるボランチのルイス・グスターボも初めてのW杯となる。

 ジウマールは94年大会の優勝は、90年イタリアW杯の失敗(ベスト16敗退)があったからだと確信している。
「ドゥンガ、ロマーリオなど中心選手は90年大会を経験しており、あの大会の失敗を取り戻さなければならないと考えていた。そして、W杯が決勝トーナメントに入れば、1敗も許されないタフな大会であることを身体で知っていた」

 ジウマールによれば94年大会のセレソンは、間違ったことをしている選手、集中力を欠いている選手に対しては、遠慮なく怒鳴ってもいい雰囲気があったという。それを率先していたのがキャプテンのドゥンガだ。

「今回のキャプテン、チアーゴ・シウバのプレーは素晴らしい。しかし、周囲への影響力という面ではドゥンガと比べると物足りない。彼は(ベスト8で敗退した)南アW杯のメンバーではあったが、レギュラーではなかった。ドゥンガのように前回大会の敗退の悔しさが骨身に染みついているという程ではない」

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