打線の方は実績あるベテランがいずれ復調すると信じ、徐々に息切れを起こしていきそうな先発投手陣にてこ入れを施していくという手もある。その場合には、ジェフ・サマージャ(カブス)、ジェイソン・ハメル(カブス)、クリフ・リー(フィリーズ)、ジャスティン・マスターソン(インディアンス)といったピッチャーがターゲットになってくる。
開幕直後から不確定要素は山積みだっただけに、巨額投資の後でもヤンキースの大幅な戦力アップを疑う関係者は実は少なくなかった。その懸念が的中し、2年連続ポストシーズンに進めなかったとしたら、チーム史に残る失敗と見なされることになる。
そんな状況を打破するためには、これから7月下旬のトレード期限までが大きな勝負となる。田中、エルスベリー、デビッド・ロバートソンといった新たなコアを支えるべく、ブライアン・キャッシュマンGMは効果的な補強策を実行できるのか。
現在のチーム状態を考えれば、優勝争いできるチームをつくるのは極めて難しい作業だと言わざるを得ない。ただ、それでも最大限の努力をせねばならない。それこそが常勝を義務づけられた大都市チームの宿命である。
そして、その努力も実らず、ジリ貧に陥った場合には……2014年シーズンが終わる頃、キャッシュマンGM、ジラルディ監督といった重鎮たちの去就が大きな話題になってしまうことは間違いないだろう。
※記録はすべて現地5日現在