ジョナサン・シガー　第1回 「六本木あたりで英語で道を訊かれたら・・・申し訳ないけどシカトします」

シマジ タッチャンのところと同じだね。お兄さんには一度徳島でお会いしてお世話になったなあ。

立木 「シマジというよくしゃべる面白いやつがいるから紹介するよ」っていって徳島にシマジを連れて行ったんだが、こいつは大阪で乗り換えたYS11で酔ってしまい、その夜はほとんどしゃべらなかった。兄貴が「ヨシヒロ、シマジさんではなく別の人を連れてきたんじゃないのか?」というくらい、借りてきた猫のように温和しかった。お蔭でおれは大恥をかいたんだ。

ヒノ そんなことがあったんですか。シマジさんも乗り物酔いするんですね。

シマジ おまえは知らないだろうけど、昔のプロペラ機だからね、めちゃめちゃ揺れるんだよ。ところで、ジョナサンのおばあちゃんはハリウッド女優だったんだってね。

ジョナサン はい、直接会ったことはないのですが、ヴァージニア・アン・リーという名の女優だったようです。それよりも叔父はケビン・エルスターといって元メジャーリーガーなんです。一度一家でアメリカに行ったときに会ったんですが、もの凄く大きな家に住んでいました。わたしが中学高校と野球にのめり込んだのは、叔父さんの家をみたからかもしれません。

立木 どうして野球をやめてしまったんだ?

ジョナサン 一丁前に肩を壊してしまったんです。

立木 バントばかりしていて肩を壊すのは珍しい。

シマジ モデルはどんな仕事をしていたの?

ジョナサン おもにトヨタのクルマのモデルをしていました。ちょうど大学生のときで、学業とモデル活動のどちらを選ぶか悩んだ時期があったんですが、敢えてトヨタのモデルの仕事を取りました。母からはちゃんと卒業しなさいといわれましたが、入学金とそれまでにかかった授業料を全額返して勘弁してもらいました。

シマジ それはすごいね。親孝行というべきなのか親不孝というべきなのか。

ジョナサン 親不孝者でしょう。

シマジ 普通のファッションモデルはしなかったの?

ジョナサン ファッションモデルをするにはわたしはちょっと身長が足りないんです。クルマのモデルにはピッタリなんですけどね。