新興ビジネスメディア「Quartz」が志向する「解説ジャーナリズム」という方向性

現代ビジネスブレイブ イノベーションマガジン 佐々木俊尚『メガチェンジの時代』より 
オブセッションの1つ、ウクライナクライシス---「Quartz」より

「オブセッション」という新しい切り口

新しいネットメディア「Quartz(クオーツ)」が注目を集めている。

このビジネス系メディアの特徴は、スクロールすると次々に記事が表示されていく、ダイナミックなインターフェイスや、左に記事一覧、右中央に記事というシンプルなデザインにある。そこが大いに注目されているのだが、記事コンテンツそのものでも新しい取り組みを行っている。それが「オブセッション」という考え方だ。

オブセッションというのは「執念」とか「取り憑かれる」というように訳される英語だが、クォーツでは「長く追いかける特定のテーマ」というような意味で使われている。

たとえばある時期には、「インドの総選挙」「ファイナンスの未来」「ウクライナ危機」「アメリカの新経済」などの15のオブセッションが設定されていた。そしてこれらのテーマに沿って、さまざまな事象やできごとを報じる際に、もっとも考えなければならないことは何か? という切り込み方で記事が作られていくのだ。

オブセッションが設定されることで、専門分野に分かれて記事を書くのではなく、ある特定の事象に沿って記事を書いていく。たとえば「気候変動」というオブセッションがあるとすれば、そこでは気候変動とは何か? という科学的な記事もあるだろうし、気候変動に伴ってあらわれてくる新ビジネスという経済記事もある。気候変動をめぐる各国の綱引きというような国際政治記事も書かれる。

従来の新聞社にあるような「政治部」「国際部」「科学部」という縦割り組織では書けない記事が、オブセッションごとにアドホックなチームを生成していくことで、つねに動的に書かれていくことを可能にしているということなのだ。・・・・・・この続きは「現代ビジネスブレイブ イノベーションマガジン」vol078(2014年5月28日配信)に収録しています。

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