2014.05.29

「家事・子育てに男女の役割はない」 イクメン先進国、フィンランドとデンマークから学ぶこと

佐藤 慶一 プロフィール

日本のイクメンがもっと当たり前になるには

各パネリストの発表の後は、ディスカッションが行われた。境氏が「北欧では男性の子育てが進んでいる。どのように関わっているのか」と尋ねた。

「何が女性の責任、男性の責任という考え方はない。フィンランドは男女が同じくらい働いており、家での時間も平等にシェアしている。得意不得意で家事を決めたらよいのではないか(ミッコ氏)」

「デンマークは18歳で奨学金がもらえるので、一人暮らしがしやすい。また、学費もかからない。税金は高いが、国の制度としてそういうことができるようになっている」とイェンス氏。納税のリターンが目に見えていることは重要だと感じた。

吉田氏は「まだ会社から育休を勝ち取る時代」と現状を表現。厚生労働省の雇用均等基本調査によれば、男性の育休取得率1.89%という数字だ。一方で取得したい人は3割いるなど、ギャップがある。また、日本は制度設計は進んでいるものの、周知が進んでいないなど、別の課題もある。 

続いて、「日本のイクメンがもっと普通になるには、子育てを社会全体でひきうけるようなムードをつくるには、男性、女性、会社にとってなにが必要なのか」と境氏が問いかけた。

ミッコ氏が「男性は仕事で家にいないため、家族のことを知らない。一方で奥さんは夫のことを知らないという状況。男性は、週末の1日だけでも家事や子育てを経験し、相手の世界を分かることが必要」と語り、イェンス氏は「女性は、もっとわがままになっていい」と述べた。

「国の制度は充実しているが、足りないところもある。EUでは仕事と仕事の間は11時間以上空けるのが決まっているのに対し、このままでは日本の労働時間が青天井に伸びてしまう可能性もある。また、首都圏に集中するため、問題になっている。地方でも働けるモデルをつくるなど、視野を地方にも広げていくことが重要(吉田氏)」

イクメン先進国に学ぶと同時に、日本ならではのソリューションが必要になってくる、働き方やワークライフバランス、子育てにまつわる問題。ハフィントンポスト日本版がより一層力を入れていく「対話」を通じて、少しでも日本の課題が解消されていくのではないだろうか。

初出時にタイトルの一部に誤りがございました。お詫びして、訂正いたします。(2014年5月29日14:48)

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