池江泰寿調教師が語る
「ステイゴールド」と血統の魅力、そして「アッシュゴールド」

『黄金の旅路 人智を超えた馬・ステイゴールドの物語』番外編インタビュー
石田 敏徳

──ステイゴールドに携わった経験が、ドリームジャーニーに活かされたというエピソードは『黄金の旅路 人智を超えた馬・ステイゴールドの物語』にも書きました。オルフェーヴルについてはどうだったんでしょう?

池江:ドリームジャーニーと同じですよね。現役時代のステイゴールドって、凄く成長力があったんですよ。身近な立場で携わっていて、2段階、3段階ぐらいの成長力を肌で実感しました。引退レースの香港ヴァーズを勝ったときには豊君(武豊騎手)も、「もう1年、現役を続けられるなら、年度代表馬をとれる」と言ってくれたほどです。それぐらい成長力があったんですね。

 だからドリームジャーニーと同様、オルフェーヴルについても「この馬はまだまだ強くなる」という確信を常に抱いていました。実際、ステイゴールドのときと同じで、オルフェーヴルが(引退レースとなった)昨年の有馬記念を勝ったときには、「もっと強くなる」と思いましたよ。もし来年、凱旋門賞に出走できるなら、トレヴと再戦しても勝てるなと自信を持てるぐらいでした。

ダービー2014、トゥザワールドとトーセンスターダムは?

──身近な立場で携わった馬といえば、先生はこの春、自身と深い縁を持つ2頭の馬で2度目のダービー制覇に挑むことになります。そのうち、弥生賞の勝ち馬で皐月賞2着のトゥザワールドは、調教助手として担当したトゥザヴィクトリーの息子。トゥザヴィクトリーは先生にとって、どんな存在の馬ですか?

池江:やっぱり、かけがえのない馬ですよね。あの馬は入厩してきてから引退するまでほとんど毎日、僕が乗っていたんです。今も身につけているベルトのバックルには「トゥザヴィクトリー」という刻印を入れていますし、普段、愛用している双眼鏡にもトゥザヴィクトリーのキーホルダーをつけています。もちろん、思い入れの深さは「どちらが上」などと比べられるものではありませんが、僕にとって特別な存在であることは確かです。

──そのトゥザワールド、お母さんに似ているところはありますか?

池江:首の高い走法などはよく似ています。ただ、性格は似ていません。少しヒステリックな面があったトゥザヴィクトリーに対し、トゥザワールドにはそういうところがないんです。本当に賢い馬ですよ。

──もう1頭のトーセンスターダム(きさらぎ賞の勝ち馬)はディープインパクトの産駒です。