2014.05.28
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「アホ判決」91歳の認知症夫が電車にはねられ、85歳の妻に賠償命令実名と素顔を公開この裁判官はおかしい

——原発訴訟でもトンデモ判決の「前科」があった!
週刊現代 プロフィール

事件から48年たって、ようやく再審開始が決定した元死刑囚・袴田巌さんのケースもそうだろう。25年にわたって袴田事件を追っているジャーナリスト・山本徹美氏が解説する。

「冒頭陳述で事実と認定された犯行時の着衣が初公判から10ヵ月後に突如、変更されました。調書の信憑性は大きく揺らぎ、当然、不採用となると思われましたが、なぜか静岡地裁は変更を受け入れたのです」

その後、都合よく見つかった「犯行時の着衣」などの証拠が、今年3月に静岡地裁で「捜査機関が捏造した疑いがある」と切り捨てられたのは周知のとおりだ。

東京地裁裁判長、最高裁判所調査官などを務めたものの、裁判官の劣化、腐敗ぶりに辟易して退官、『絶望の裁判所』を著した元エリート裁判官・瀬木比呂志氏は「官僚裁判官システム」が諸悪の根源だと指摘する。

「弁護士を長期間やった人が裁判官に選ばれる英米に対して、日本は司法試験を突破した学生の中でも成績優秀者を純粋培養する官僚システム。特別な見識も教養もなく、視野の狭い裁判官が増えるのは当然です」

最高裁判所を頂点とするヒエラルキーの中で生きる裁判官たち。外部との接触は制限される。政党に入ることも、「日本野鳥の会」といった趣味の団体に所属することすら禁じられ、自宅と裁判所を専用バスで往復する毎日。3~5年で転勤となるから地域との関係も希薄なままだ。しぜん、裁判官同士の共通の話題は「あいつは支部に飛ばされた」といった人事の話になる。そして、人事権を握る最高裁判所の影響力が増していく。瀬木氏が続ける。

「権力側を批判するような立派な判決を出すと、一瞬は脚光を浴びます。ところが、その裁判官が何年かすると、左遷人事を受ける。そんなケースを私は山ほど見てきました。良識派と言われる裁判官は、どれだけ優秀でも東京高裁の裁判長止まりでしょう。出世しようと思ったら、最高裁の意向をつねに気にする、ヒラメ的な裁判官になるしかない。自分では何も考えず、ただ追随するしかない。だから、判で押したような、おかしな判決が下されるのです」

裁判官幹部人事の研究』などの著作がある明治大学政治経済学部の西川伸一教授の見通しも暗い。

「刑事事件の場合、有罪率は99・9%。裁判官には『検事の調書は間違いない』という先入観がある。法曹ムラの仲間である検察を疑おうとしない。くわえて、彼らは月300件もの裁判を抱えています。どんどんこなしていかないと最高裁に『処理能力が低い』と報告され、次にいい任地に行けなくなってしまう—そういう恐怖心を持っている。彼らにとって裁判は急いでこなすべき事務処理であり、被告や原告の名前は記号に過ぎないのです」

責任は一切問われない

裁判官の意識の低さ、常識のなさなんて、自分には関係ない。そう思っていたら大間違いだ。一番わかりやすい例が痴漢冤罪だろう。

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