血圧は200でもセーフ!血糖値は100でもアウト!この数値が「病気のボーダーライン」

"血圧・血糖値・コレステロール"これが正常と異常の分岐点です【第2部】
週刊現代 プロフィール

従来、総コレステロール値の上限は全年齢の男女で一律199とされてきた。しかし、新たな基準値を見ると、男性は254、65歳以上の女性ではなんと280まで大幅にアップしている。さらにLDLコレステロール、いわゆる「悪玉コレステロール」でも、従来の上限119をはるかに上回る178(男性)、190(65歳以上の女性)という値が示された。諸悪の根源のように言われている悪玉コレステロールさえ、このありさまなのだ。

「今回示された数字はかなり踏み込んだものであり、評価しています。ただし、コレステロールに関してはもっと緩めてもいい」

富山大学名誉教授で、元日本脂質栄養学会理事長の浜崎智仁医師が言う。

「実は、コレステロールが本当に健康に悪影響を与えるかどうかは、きちんと解明されていないのです。

コレステロールが高いと心筋梗塞になりやすいと言われますが、これは調査対象の患者に『家族性高コレステロール血症』、つまり遺伝的要因で、生まれつきコレステロール値が450程度と高い人が含まれているのが原因だと考えられます」

定説が次々に崩れる

家族性高コレステロール血症の患者は、そうでない人に比べて心筋梗塞になりやすいため、よく「コレステロールが心臓病の原因である」という定説の根拠として紹介されるが……。

「その原因はコレステロールではないことが分かってきていて、定説には疑問符が付く。むしろ全体の死亡率で見ると、総コレステロール値が高いほうが明らかに死亡率は低いのです。

さらに悪玉コレステロールには、体内に入った細菌やウイルスにくっついてブロックする性質があります。肺炎などの感染症や、バクテリアが引き起こす内臓疾患を防ぐのに役立ってさえいるわけです」(浜崎氏)

高血圧と同じく、高ければ高いほど危険とされ、良いイメージのないコレステロール。だが近年、「血液をドロドロにして血栓を作る」「動脈硬化の原因になる」という定説に疑義が示されているほか、海外では「女性ならば総コレステロール値300でも問題ない」という見方も出てきている。

「コレステロールは細胞ひとつひとつを包む細胞膜の材料であり、免疫を司っている重要な物質です。こう言うと抵抗があるかもしれませんが、私はコレステロールには『上限値は必要ない』と考えています。

総コレステロール値は死亡率と無関係であるというデータが出た後、日本動脈硬化学会は悪玉コレステロールに罪を被せたのですが、最近ではその悪玉コレステロールの害も否定するような研究結果が出始めている」(前出・浜崎氏)