2014.05.16

「生命誕生」科学史上最大の謎が今解き明かされようとしている!

なぜ生まれたのか?なぜ進化したのか?
中沢 弘基 プロフィール
一段式火薬銃を前にして、衝突実験について説明する中沢氏

──海でないとすると、生命はどこで誕生したのでしょうか。

中沢:生命が誕生するまでに有機分子がたどる過程は多段階でさまざまです。「生命はどこで誕生したのか?」との御質問が、生命機能を開始した最後の段階を指すとすれば、答えは「海底の地下の、熱水の通る厚い堆積層の中」だと言えます。

それら“原始生命体"は、遅くとも34億年前には地下の厚い堆積層の中に「地下生物圏」を造って、次に海洋に出て適応放散する機会を待っていたでしょう。

でもそれまでに有機分子が自然選択されるいろいろの段階はそれぞれ異なった場所でした。最初の自然選択は、隕石海洋衝突で生成された多様な有機分子のうち、水溶性の生物有機分子だけが自然選択される過程で、それは海水中でした。その後有機分子は粘土鉱物に吸着して沈殿し、厚い堆積層の下部で高温・高圧の厳しい条件を、高分子になることによってサバイバルしました。その後もいろいろあって、「生命誕生」はその最後の最後の結果です。

したがって有機分子が生物になるまでは海底の地下、厚い堆積層の中で進化しましたから、それらを含めると「地下深部で生命は誕生した」と言えると思います。「生命の地下発生説」です。

──地中奥深くで生命が誕生したとの仮説ですが、生命活動に必須な水が不足しないのでしょうか?

一段式火薬銃で用いる「弾丸」(飛翔体)。直径3㎝、厚さ2㎜のステンレス製円盤に、火薬の爆発圧を受けるプラスチック製の栓(白い部分、長さ5㎝)が貼り付けてある

中沢:隕石海洋衝突によって有機分子が生成される過程から、それらが自然選択によって進化するすべての過程で水が関与し、水がなければ分子進化は生じません。

しかし、その「水」はおだやかな水だけではなく、超高温の水蒸気であったり、超臨界水であったり、あるいは高温の熱水です。状態が変わっても、すべては「水」が多量にある環境でした。

そして分子進化の最後に、生命が誕生し生物が進化する過程は海底下の堆積層中ですが、そこには鉱物粒の間隙を縫って微細な、水や熱水の流路がありますから、生命活動に必要な水に不足することはありません。

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