「人生の最期は、家でひとりで」の時代がやってくる
『孤独死のリアル』著者・結城康博インタビュー

結城 康博
結城康博(ゆうき やすひろ) 1969年生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒業。法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。1994~2007年、地方自治体で勤務。この間、介護職、ケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護部署などの業務に従事(社会福祉士、ケアマネジャー、介護福祉士)。現在、淑徳大学総合福祉学部教授(社会保障論、社会福祉学)。著書に『介護』(岩波新書)、『日本の介護システム』(岩波書店)、共編著に『孤独死を防ぐ』(ミネルヴァ書房)など。

――結城さんは、研究者になる前は、区役所の福祉担当職員だったのですね。

結城 はい、高齢者福祉の現場では、計6年間働いていました。大学卒業後、福祉専門職として北区、そのあと新宿区に勤めたのですが、新宿区では、ケアマネジャー(=ケアマネ、要介護高齢者の在宅介護サービスをコーディネートする仕事)、相談員、地域包括支援センター職員などをしていました。夜間の大学院を修了して淑徳大学の教員になってからも、しばらくは二足の草鞋で、非常勤で特別養護老人ホームのケアマネもやっていました。

――孤独死問題に関わるようになったのも、区職員の時代からですか?

結城 そうですね。僕が勤めていた新宿区は、当時から独り暮らし高齢者が多い区でしたし、高齢者福祉課には「孤独死対策」という名前の仕事もありました。

 ケアマネ時代には、ヘルパーや民生委員から、応答のない独り暮らし高齢者の相談を受けて「万が一、孤独死してしていたらどうしよう」と、緊急措置で2階の部屋によじのぼってベランダから立ち入ったこともあります。担当している高齢者が孤独死したらどうしよう、というプレッシャーで、用事がなくても定期的に訪問したりもしていました。そういうことは僕だけではないらしく、当時も似た話をよく聞きました。

深刻なのは独り暮らしで軽度の認知症になったとき

——孤独死で亡くなる人は、年間3万人と言われているそうですね。

結城 孤独死については、まだ各都道府県によって定義がまちまちなのです。だから、実数のデータはまだなく、3万人というのは推計値です(ニッセイ基礎研究所の2011年3月の調査データをもとに推計)。

 3万人という数について、思ったほど多くないと思う人もいるかもしれませんが、1日に100人近くが孤独死しているわけですよ。僕はとても多い数だと思います。周囲に「孤独死したらたいへんだ」と心配されている予備軍を含めると、この数十倍になるわけですし。増えてきているし、これからまた大きく増えるだろうという実感もあります。

——それはどうしてでしょうか?