今年は去年とうって変わりうなぎの稚魚が豊漁だという。ご存知のように、年々減少していたうなぎの稚魚の漁獲量が、去年過去最低となり高騰した。卸値で1キロあたり2200円が、1年で4850円まで高騰したため、各うなぎ屋はやむなく値上げした。
稚魚の減少は、乱獲、密猟、価格操作、大量廉価販売店などによる、非持続的消費システム、資源管理への無策、地球温暖化、日本近海や川の環境汚染、海流温度の上昇など、さまざまな理由がある。なかでも産卵地がわずかに南下したことで、稚魚が海流に乗れずに死亡してしまうことが大きな要因ではないかと推測されていた。
ところが今年はなぜか豊漁なのである。激減した理由も完全に解明されていないが、増えた理由もわからない。生態が謎の魚なのである。
報道によると、昨年1キロあたり300万円だった稚魚の値段が、今年は80万円と3割まで下がっている。しかし、鰻屋が値下げをする気配はない。どうやら今後の変動を気にして、卸値が変わっていないのである。
今は、うな重1人前3000円から、なかには4500円からという時代だ。高くなって生まれたメリットはあるのだろうか?実は2つある。
第一に、高くなり数が出なくなったため、問屋も安かろう悪かろうといううなぎは扱わなくなった。さらに養鰻業者もきちんといい餌をやり、質の高いうなぎを作るようになった。うなぎ屋によれば、養殖の質は以前より良くなったという。
2つ目は、高級店と大衆店の価格差が縮まったことである。それにより、店を選ぶ基準が明確になってきた。・・・・・・この続きは現代ビジネスブレイブイノベーションマガジンvol075(2014年5月7日配信)に収録しています。