全国民必読 気をつけろ! 鳥インフルエンザは熊本だけでは終わらない

週刊現代 プロフィール

鳥インフルエンザに人が感染すると、予後は良くない。'03年11月以降、660例もの感染例が報告されているが、うち390名以上が死亡している。

人が鳥インフルエンザに感染した場合、一般の抗インフルエンザウイルス薬は発症後48時間以内に服用しないと効果が乏しい。可能な限り早くタミフルを投与するほかないのだ。食肉から感染することはないが、感染した鶏と直接接触した者、感染した人を看病した家族が感染した例が報告されている。

「今回、熊本に侵入した鳥インフルエンザウイルスは極めて毒性の強い『H5N8』亜型。日本初上陸です。韓国で大流行していることから、韓国経由で野鳥が運んできたのではないかと見られています。ヒトへの感染例はまだありませんが、感染した鶏と濃厚な接触を持った場合、体内で変異して新型になる可能性がある。そうなると、ヒトからヒトへの感染が爆発的に増えるという、一番恐ろしい事態が起こりかねない」(前出・記者)

一羽でも出ればアウト

頼むから、このまま沈静化してくれ—いま、熊本のみならず、隣県の宮崎や鹿児島の養鶏業者たちは祈るような気持ちで推移を見守っている。だが、現状は厳しいと言わざるを得ない。

それは本州、さらには首都圏に住む人間にとっても、他人事ではない。

「アジアや中東から飛んでくる野鳥が鳥インフルエンザウイルスを保有していることは知っています。ですが、それがいつ、どこから入ってきたのかが、わからない。カモなのかタカなのか。ネズミが媒介したのか、野鳥の糞にたかったハエが鶏舎にウイルスを運んだのか。根本的なことが何もわかっていない」(B氏)

敵が見えない以上、戦いは終わらない。そして、大量に飼っている鶏のうち、一羽でも鳥インフルエンザにかかれば、その時点でアウト。それゆえ、現場周辺は大きな不安に包まれているのである。

3年前、鳥インフルエンザ襲来を警告した鹿児島大学名誉教授の岡本嘉六氏が解説する。

「去年の春先から夏にかけてアジアで大流行し、多数の死者が出ていたので、日本に入ってくるのではと危惧していました。『H5N8』ということは、年末あたりに韓国から入ってきたのではないでしょうか」

熊本の山中で力尽きた渡り鳥の死骸を、ネズミのような肉食の小動物が食べる。そして、この小動物がウイルスを媒介するのだが、渡り鳥と違い、小動物の鶏舎への侵入を防ぐことは、ほぼ不可能だ。歯がゆいのは、発生源であるアジア諸国に手が出せないということ。