このところ、様々な場所でこんなことを聞かれます。3月はそれほど多くありませんでしたが、4月中旬あたりから繰り返し同じ質問を受けるようになりました。
「日本代表の柿谷が、リーグ戦で得点をあげていません。ブラジル・ワールドカップで、彼は活躍できるのでしょうか?」
昨年7月の東アジアカップで、柿谷曜一朗は日本代表に初めて選出されました。同大会で3ゴールをあげてチームを優勝へと導き、彼自身は得点王に輝きました。
その後はアルベルト・ザッケローニ監督率いる日本代表に定着し、11月のベルギー戦でもゴールをあげています。所属するセレッソ大阪では21ゴールをマークし、得点ランキングの3位に食い込みました。代表チームのなかで不確定要素の強かった1トップの最有力候補として、柿谷は急浮上していったのです。
ところが、4月26日までに9試合を消化したJ1リーグで、彼はいまだにゴールを記録していません。昨シーズンとの落差が激しいだけに、「大丈夫なのだろうか?」と考える方が少なくないのでしょう。
私の答えは決まっています。
「心配はありません」
昨シーズンの柿谷は、チームでもっともゴールに近い1トップでプレーしていました。その結果として、ディフェンダーとの駆け引きのうまさ、正確なボールコントロールといった自らのスキルを、得点奪取に注ぐことができていたのです。