第75回 正力松太郎(その一)警察官僚にしてプロ野球の父、テレビ放送の父、原子力の父---

福田 和也

正力は、左の頭に大きな石をぶつけられた。
長さ、六、七センチ、骨膜に達する重傷である。
正力の悽愴な血姿を見て、群衆は静まりかえった。

警官隊は、その隙に、暴徒を一網打尽にして、検挙してしまった。
東京では、浅草吉原の襲撃をもって騒動は、鎮静に傾いていった。
井上清、渡部徹編の『米騒動の研究』は、実に百万人前後の人々が、騒擾に参加した、と記している。

大正デモクラシーのさなかに起きた大騒擾事件は、山縣有朋を筆頭とする元勲たちにも、激しいショックを与えた。
そしてまた、正力という人物の存在、その果敢な治安護持の手腕をみせつけたのである。

『週刊現代』2014年4月26日号より

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