ベストセラー伊集院静『許す力』に学ぶ 有名人がいまだから明かす「私が許せなかった人へ」【第1回】瞳みのる(ザ・タイガース)から沢田研二へ

週刊現代 プロフィール

もう一度会ってみようか—。『ロング・グッバイ』とマネージャーの言葉から、僕はそんな気持ちを抱くようになりました。そしてその年の暮れ、僕は沢田・一徳・森本と再会した。酒を飲みながら5時間以上語った。凝り固まった40年のわだかまりが、少しずつ溶けていくような気がしました。

その後、コンサートを一緒にやるようにもなりました。正直に言えば、いまだに当時の悔しさが消えたわけではありません。ただ、彼らには彼らの立場があったのだということは、理解できるようになりました。人づてに聞いた話ですが、当時は沢田も僕に対し許せないと思っていたようなんです。そこには彼なりの言い分があったんでしょう。

人はそれぞれ違うということを理解する力、それが「許す力」なのだと思う。そして、あれだけ恨んだからこそ、彼らと再会を果たした喜びも大きいのだと感じます。割り切れない気持ちを抱いて生きてきたから、いまがあるんです。

「週刊現代」2014年4月12・19日合併号より