ケチは本当の金持ちになれません カネは使えば使うほど、殖えるものなのです

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ところが、被災証明がないと会社のカネは出せないと言う。そこで、個人の預金から1億円を下ろし、当座の援助資金として従業員に配ってくれと、人事部に手渡したんです」

代償を求めてはダメ

トップ自らが身銭を切って従業員のフォローにあたったことは、結果的に組織内の絆を強めることになった。それは売り上げに如実にあらわれている。

今年2月期の決算は売上高3750億円(前年比105%)、連結の営業利益165億円(同106%)。日本のスーパーマーケット業界の半数が減益という厳しい時代に、ヨークベニマルは増収増益を実現した。

「正直、震災直後はこれでうちの会社も潰れるのか、と思いました。しかし、震災から3年たったいま、会社はこれまでで一番伸びている。その理由は、自分の店は自分が守るという意識が震災の試練を通じて従業員に浸透しているからではないでしょうか」

同時に、私財をなげうって地域貢献する大髙氏の姿勢が、消費者から強い信頼を得て、会社のブランドイメージを高めたという点も見逃せない。鈴木氏や大髙氏のケースは、「生きたおカネの使い方」のお手本とも言える。経営コンサルタントで、『お金持ちの教科書』の著者でもある加谷珪一氏もこう語る。

「これまで多くのお金持ちと言われる人たちを見てきましたが、貯めこむことや散財することを考えているお金持ちには、それ以上の発展はありません。集めたカネをどう有効利用するかを考えて行動に移す人は、稼ぐのと同じくらい使い方が上手で、しかも面白い使い方をする。使い方が上手でないと、おカネというのは殖えないのです」

生コンクリートやセメントなどの建設総合資材の商社・山一興産社長の柳内光子氏も、稼いだおカネを惜しげもなく、社会貢献に注ぎ込んでいる。

「日本にはお金持ちはたくさんいるでしょうけど、代償を求めずに、地域社会のために貢献しているお金持ちというのは、随分、少なくなったような気がしてなりません。その一方で、社会貢献している人に対しては『何か裏があるんじゃないか』とか、『どうせ見返りを計算しているんだろう』といった誤解や邪推がある。本当に困ったものです」

そう語る柳内氏は'98年に私財10億5000万円を注ぎ込んで、特別養護老人ホームを開設した。それを皮切りに、首都圏で5ヵ所の老人ホームを開設、さらに医療施設、保育園、保育専門学校と、子供からお年寄りまでの世話をする施設を20ヵ所も開設している。

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