岩瀬大輔「人間関係はギブ&テイクからギブ×10へ」

最新刊『仕事でいちばん大切な 人を好きになる力』より

もっとも、ひとりでご飯を食べたり、ひとりで映画を観たりするのが好きな人もたくさんいて、そこに異議を唱えるつもりはありません。むしろひとりのほうが気が楽だとか、料理もゆっくり味わえるという人もいるでしょう。

ただ、最近になっておもしろく感じるのがツイッターやフェイスブックに投稿される、料理写真の数々です。

食べるときにはひとりがいい、ひとりのほうが気楽だと思っていながらも、食べ終わると料理写真にコメントをつけて投稿している。友達からの「いいね!」を求めている。ここにはさまざまな承認欲求が内在しているのでしょうが、むずかしく考えないのであれば、自分が味わった感動を「みんなとシェアしたい」「つながりたい」と思う、潜在的な願いの表れではないでしょうか。

僕の場合、食事や映画だけでなく「人」についても、みんなとシェアしたくなります。ステキだな、と思える人に出会うと、「あの人にも紹介したい」と思ってしまう。「こんなに素晴らしい人を僕だけで独占しておくのはもったいない」と思ってしまう。「この人と引き合わせたら、気が合うだろうな」「この2人が会ったら、どんな化学反応を起こすのだろう?」と考えてしまう。そして実際に、これだと思う人同士であれば積極的に紹介して、つなげていくのです。

そうやって好きな人同士が結びついた結果、なにか新しい動きが出るようだったら、広く「みんな」のためになりますし、なによりも僕自身の喜びになります。

困っている人を「みんな」で助ける

かつて、「情報こそが権力の源泉だ」と考えられていた時代がありました。

重要な情報は、一部の権力者が独占するもので、大多数の人々には恣意的に選別された情報だけが与えられる。権力者は、情報を操作することによって国や組織を動かしていく。たしかに、権力がメディアをコントロールし、世論を誘導していった歴史は、洋の東西を問わず多くの国に存在します。

しかし、インターネットやソーシャルメディアの普及によって、情報は一部の人間が独占できるものではなくなりました。情報の拡散をコントロールすることもむずかしくなり、いまではあらゆる人々が多くの情報を共有する時代になっています。

人間関係についても、まったく同じことがいえるのではないでしょうか。

ほんの10年、20年前まで、見知らぬ誰かにコンタクトを取ろうと思ったら、なんとか人づてに当たっていくくらいしか方法がありませんでした。しかしいまでは、ツイッターやフェイスブックを通じて誰もが直接コンタクトを取ることができます。芸能人やスポーツ選手、アーティストに経営者など、かつてはなかなか接触できなかった人たちに、気軽に声をかけることができます(返事をもらえるかはさておき)。

また、ツイッターやフェイスブックを使えば、「あの人」が誰とつながっているのか、ひと目で把握することもできます。もはや人脈さえも、クローズドな対象ではなくなっているわけです。

その結果、まったく新しいつながりが生まれ、新しいビジネスも生まれています。これは歓迎すべき流れです。

***

『仕事でいちばん大切な 人を好きになる力』刊行記念
岩瀬大輔さん サイン会&ワンポイントアドバイスセミナー開催!

日時 2014年4月23日(水)
18:30~
地区 東京
場所 文教堂書店 浜松町店
お問い合わせ 03-3437-5540
*整理券が必要です。
*詳細はお店へお問い合わせください。