2014.04.14

岩瀬大輔「僕なりに考える『友達をつくるシンプルな原則』」

最新刊『仕事でいちばん大切な 人を好きになる力』より

この話を単なる綺麗事だと片づけないでください。

みなさんもきっと感謝すべき人、尊敬できる人に囲まれて、日々の生活を送っているはずです。相手の年齢や社会的立場に関係なく、感謝と尊敬の気持ちさえ忘れなければ、「好き」な人はたくさんできる。そして感謝と尊敬をベースにした「好き」は、必ず受け入れられる。僕はそれを信じて、いろいろな人とお付き合いするようにしています。

それでは、感謝と尊敬のあり方について、もう少し具体的に考えていきましょう。

「感謝リスト」を上書き保存しない

ライフネット生命が東証マザーズに上場した2012年3月15日。

僕は、その日になったら必ずやろうと決めていたことがありました。これまでお世話になった人たち、特に会社の起ち上げ前後にお世話になった人たちに、ひとりずつお礼の電話をかけていくことです。

人数にして、およそ30人ほどだったでしょうか。お伝えする内容は「おかげさまで本日上場することができました」「ありがとうございました」「これからもよろしくお願いします」の3点だけです。30人というと大変に思われるかもしれませんが、電話をかけたほとんどの方が「忙しいのに悪いね!」とこちらの状況を察してくださり、長話にはなりません。

おそらくすべての電話をかけ終わるのに1時間ほどしかかからなかったと思います。それでも、株式上場といういわば「晴れの日」に自分のことを思い出してくれたという事実に、とても喜んでいただけました。

われわれは忙しく働いていると、どうしても「いま」だけを見てしまうところがあります。お礼の電話をかけるときにも、「いま」直接お世話になっている人、現在進行形でお付き合いのある人、これからもっと関係を深めたい人ばかりを見てしまう。そのため、過去にお世話になった人のことを忘れてしまいがちになる。そんな状態に心当たりはないでしょうか?

でも、そんな「いまの自分」は誰のおかげでここまでこれたのか、もっと強く意識しておく必要があります。

たとえば、小学校時代にお世話になった先生がいなければ、いまの自分はいないはずです。同様に、中高時代の恩師がいなければ、いまごろ違う自分になっていたでしょう。これは学生時代の恩師だけでなく、家族や友人、恋人まで、すべてに言えることだと思います。

駅伝の走者がひとりでも欠けたら成立しないのと同じように、人生の中で一度でもお世話になった人は、みんな「その人がいなければ、いまの自分はいなかった」というかけがえのない恩人なのです。たとえ現在疎遠になっているとしても、感謝の気持ちを忘れてはいけません。

そこで僕は、自分の頭の中に「感謝リスト」をイメージするようにしています。人生のどこかの場面で、ほんの少しでもお世話になった人は、みんな感謝リストのメンバー入り決定です。

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