「人とのつながりで生まれる価値をまちに還元する」---日米におけるコワーキングスペースと地域の新しい関係

佐藤 慶一 プロフィール

まちにどのように価値を生み出していくのか

稲葉氏の話を聞くと、サンフランシスコではオンラインとオフラインがかなり近づいているようだ。それは近いうちに日本でも起こるのだろうか。

稲葉氏は「日本はスマホも普及率しており、サンフランシスコに近い。しかし、外でタブレット利用や長居できるカフェ設計、無料wi-fiの整備環境などは違いがある」とサンフランシスコと日本の違いを述べた。2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されるが、日本も外国人向けに環境を整備していく動きが必要になってくることだろう。

また、「テクノロジーの知識をローカルに還元していくことが重要になる」と江口氏。今後、インフラレベルに普及するIT技術をまだ届いていない人に向けてどのようにサポートしていくのかは、ますますIT企業に求められることになりそうだ。

最後にコワーキングスペースの話題に戻る。江口氏は「スペースに共通するのは、拡張したオンライン上のコミュニティのきっかけ。結局は、人と人とのつながりが大事になる」、稲葉氏は「DG717はスタートアップ向けにつくったが、形を変えていかないと思う。ITは手段に過ぎないので、人と人とをつないでいきたい」と、両氏の発言に共通するところは"人のつながり"だった。

日米のコワーキングスペースでも重要になる人とのつながりを、まちに対してどのように還元していくのか。この点を考え続けることで、サンフランシスコや東京など都市部はもちろんのこと、地方のコワーキングスペースももっと面白くなってくるのかもしれない。