「人とのつながりで生まれる価値をまちに還元する」---日米におけるコワーキングスペースと地域の新しい関係

佐藤 慶一 プロフィール

オンラインとオフラインがどんどん近づいている

江口晋太朗氏

江口氏によれば、日本には130ほどのコワーキングスペースがあるそうだ。日本のスペースにおいては「人と人とのつながりから、新しいプロジェクトをつくることが多い」と言う。

そのような出会いを有意義なものにしていくには、人となりや活動を含めたパーソナリティの共有が大事になってくる。そこで、「コワーキングスペースには、おせっかいな人、ハブになる人が重要。それがより良い場づくりにつながる」と江口氏。

一方、稲葉氏は「コワーキングスペース同士のつながりが盛んで、お互いのイベントに参加し合うこともある」と、海外事情について語る。

「若い人たちが多く、外で交流するという雰囲気が強い」というサンフランシスコでは、市が積極的にベンチャー支援を行っているので、スペースとのコラボレーションなども生まれているのだとか。

DG717は前述の通りマーケットストリートに建設されたが、そのような前例はこれまでなかったそうだ。アートとイベントとコワーキングスペースを掛け合わせた"アートセンター"というような見せ方でつくられた。まちと何をするのかという視点に立ち、アートやイベントにも力を入れるDG717には、リアルとの連動性を強く感じる。

リアル(オフライン)について、江口氏は「ITと言うとオンラインの世界だと思いがちだが、オンラインからオフラインへといった動き(O2O)を考えていかないといけない。だんだんオンラインとオフラインが近づいている」と語った。

また、イベント会場のEDITORYは「古書の街で何ができるのかを考えた時に、街の人に向けて盛り上げるきっかけのたまり場として機能するスペースにしようというのがもともとのコンセプト」と江口氏。まちとつながる、という意味ではEDITORYとDG717には共通点がある。

この話を受けて、稲葉氏は「DG717でも周辺地域と連動した仕掛けを行いきたい。また、市とつながり、アジアに関心のある人が集う拠点にしていけたら」と、リアルとの連動や今後の展開についても触れた。