[BCリーグ]
村山哲二代表「“世界一の育成リーグ”を目指して」

スポーツコミュニケーションズ

 初の公式国際試合

 観客動員数増加への取り組みとして、リーグがチャレンジしたのは、ハワイを本拠地とする米独立リーグ・パシフィックアソシエーションとの公式戦でした。同リーグとは12年にも交流戦を行ないましたが、それを昨年は公式戦のひとつに組み入れたのです。それは、リーグ初の公式国際試合でもありました。

 BCリーグの全6球団がそれぞれ同リーグに所属する2球団(イカイカマウイ、ハワイスターズ)と1試合ずつの計12試合を行ないました。対戦成績は8勝3敗1分。BCリーグのレベルの高さが証明された結果となりました。BCリーグのファンは普段見ることのできない海外リーグのプレーを間近で見ることができ、新鮮味が感じられたことでしょう。そして球団にとっては、国際間の交流がさらにすすみ、視野の広がりに寄与した体験となったはずです。

 しかし、反省点もありました。ひとつはほとんどの試合が平日だったことです。やはり、週末や祝日に試合を組み込むことができなかったことで、観たくても球場に足を運べなかったファンはたくさんいたに違いありません。そして、もうひとつはビジターのファンを動員することができなかったということです。遠いハワイからファンがひとりでも多く来てくれることを期待していたのですが、さすがに距離や費用的問題が高いハードルとなったようです。ただ、リーグとして新しいことに果敢にチャレンジしたという点は、大きな意味を持っています。ぜひ、今後に活かしていきたいと思っています。

 スポーツ運営に不可欠な2大要素

 前述したように、昨年、最も観客動員数の割合を増やしたのは、石川でした。その要因を分析してみると、現代のスポーツ運営の成功には2つの要素があることが改めて明確化されました。それは“パフォーマンス”と“プロモーション”です。そのどちらが欠けても、運営は成功しません。

 昨年の石川を見てみると、“プロモーション”の巧みさはずば抜けていました。例えば、四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスとのチャンピオンシップ、ホームゲームでの第1戦で用意されたプロモーションは次の通りです。
「親子ホームラン競争」(参加親子に野球用具メンテブック、優勝親子には選手のサイン色紙をプレゼント)
「バットスピンコンテスト」(参加者にオリジナルリストバンドをプレゼント)
「ファールボールプレゼント」
「スタメンサイン入り試合球プレゼント」
「木田優夫出版記念サイン会」
 試合前、試合中、試合後と、常に盛り上げるコンテンツが提供されたのです。

 もちろん、こうしたイベントだけではリピーターはつくれません。石川は、一番重要な野球においても、しっかりとファンに魅力を提供していました。ピッチャーを中心に石川らしい守り勝つ野球で、前期を制して早々とプレーオフ進出を決め、そのプレーオフでは福井ミラクルエレファンツ、新潟アルビレックスBCを下して2年ぶりのリーグ優勝。さらには四国アイランドリーグとの独立リーグチャンピオンシップをも制し、日本一に輝きました。“パフォーマンス”の質が高かったことは言うまでもありません。

 石川ファンは試合前から用意されたイベントを楽しむことで試合への期待感が助長され、いざ試合が始まれば、選手たちのプレーに魅了される。そして試合の合間や試合後にも、さらにイベントが待っている。球場に一歩足を踏み入れた瞬間から、球場を後にする瞬間まで、ファンのワクワク感は途切れないのです。これはディズニーランドなどの行楽施設とまったく同じ手法。昨年の石川は、今後のいいモデルケースとなることでしょう。