マッキー牧元のおいしいトレンド「銀座のおでん」

『現代ビジネスブレイブ イノベーションマガジン』---「マッキー牧元のおいしいトレンド」より
〔PHOTO〕gettyimages

酒をいつまでも楽しめるあっさり味を生み出した老舗店

銀座にはすし屋も多いがおでん屋も多い。季節に関係なく、まずは刺身や野菜料理などで飲んでから、おでんをいくつかもらって〆るというおでんファンが多いのである。

中でも一番の老舗格は、1933年の創業の『やす幸』。酒飲みだった初代は、いつまでも酒を飲み続けられる、あっさりとした味が好きで、昆布出汁に塩で調味した味を生み出した。これが関東でも関西でもない、『やす幸』のおでんである。

一味入りの「こんにゃく」、玉葱入りの「大串」、がんもに刻みネギと少し醤油を垂らした「豆腐」など頼むべきものは数多いが、お奨めは「はんぺん」である。

口に運べば、歯が優しく包まれて、ふわりと、溶けるように崩れ、穏やかな甘みが滲み出る。なんとも優美な「はんぺん」である。

まずは「大根」から、「豆腐」に移り、「こんにゃく」を経由して、「すじ」を噛みしめ、「はんぺん」に行くのはいかがだろう。その後、柚子香る「つみれ」を頼み、「大串」から、汁が染みた「ちくわぶ」に移行し、ほのかに甘い「はも天」で微笑んで、「いも」の甘みで心安らぐのはどうだろう。

余裕があれば「茶飯」を頼み、おかわりをした「はんぺん」をおかずに、おでんの夜の幕を閉じる。酒は終始燗酒。錫のやかんで燗つけられた酒は、おでんのつゆと調和する温度が心憎い。

「おでん燗酒」と一つ言葉があるように、誠におでんと燗酒は相性がいいのである。この『やす幸』出身が、『おぐ羅』と『田中』。いずれも気さくな名物親父さんがいて、気軽な雰囲気で終始楽しくおでんを楽しめる。予算は一人5,000円~10,000円。

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