4月4日、注目の米国雇用統計が発表された。3月の非農業部門の雇用者数は、事前予想の20万人には届かなかったものの、前月比プラス19万2千人とまずまずの数字であった。
しかも、1月と2月の雇用者数は上方修正され、寒波の影響で停滞気味だった米国経済の立ち直りの兆候が見て取れる内容との見方が有力であった。その為、統計発表直後は米国の株式市場は堅調な展開となった。
しかし、その後、株式市場は、大手投資家の利益確定の売りに押される格好で値を下げた。そうした株価動向の背景には、今年1-3月期の企業業績が、寒波の影響もあり大幅に低下したことがある。
米国のファンドマネジャー連中と話していると、彼らが、米国企業の業績回復ペースに懸念を持っていることが分る。今年1-3月期の企業収益の伸び率は、当初予想の6%台から1%台まで低下したと見られる。
業績伸び悩みの主な要因が寒波であったことは言うまでもない。問題は、4月以降の伸び率が予想通り回復するか否かだ。大手投資家の多くは、「それを見極めてから投資活動を行っても遅くはない」との意見が有力になっている。
そのため、基本的なスタンスとしては様子見姿勢を強め、株価上昇の局面では確実に利益を確定しておきたいというインセンティブが強いと見られる。こうした姿勢は、春先以降の米国企業の収益状況を見極められるかで続くと見た方がよいかもしれない。