プライバシーの価値観がかわる「総透明社会」時代への突入

『現代ビジネスブレイブ イノベーションマガジン』---佐々木俊尚「メガチェンジの時代」より
〔Image photo〕gettyimages

透明化されたシステムはポジティブな面が多い

「総透明社会」がやってきている。クラウドやビッグデータ、モバイル機器の普及などで、私たちの行動はほとんどすべて把握され、時によっては公開される。もはやこの時代、誰にも知られない隠しごとをするのはネットを断って山にでもこもらない限り不可能に近い。

これを「監視社会だ!」と騒ぐのは容易だが、しかしいっぽうでこの透明化されたシステムが人々に利便性を提供しているのも事実。Amazonのお勧めを見て「あっこんな本があったのか」「知らなかった。これも買わなきゃ」と興味を惹かれて購入するということはよくある話。自分の履歴をアマゾンに提供したからこそ、的確なお勧めが提供されてくるのだ。

これはFacebookやTwitterなどでも同じ。たとえば私が「いま福岡に旅行に来ています」とTwitterに投稿すると、フォロワーの中には不届きな犯罪者もいて、「佐々木は旅行に行ってるのか。だったらいまのうちに空き巣に入ってやるか」と思う人もいるかもしれない。ソーシャル名刺交換サービスなどあちこちネットの断片を調べれば、私の住居を突き止めるのはそう難しくはないだろう。だったらそういうリスクをとらないためには、旅行に出かけているなんていう情報は不特定多数の人に公開しないほうがいい。

でも一方で、そうやって「福岡に来ている」と書けば、多くの人たちから「佐々木さん、福岡に来てるんならこの店絶対お勧めですよ」「この店に行ってみて」というポジティブな情報を教えてもらえる。だからここで考えなければならないのは「泥棒に入られたらどうしよう」というだけでなく、「泥棒に入られるリスク」と「美味しい店に行き着ける利便性」を天秤にかけて、どちらが大きいかを計るということだ。すべてはバランスの問題ということ。

泥棒に入られる危険はゼロではないが、確率としてはかなり低いと言えるだろう。そもそも東京にいるからといって、被害に遭わないとは言い切れない。だったら、「福岡で美味しいものを食べられる」という利便性の方を重視するというのは、選択肢としては十分ありだ。

ソーシャルサービスやECの利用も同じだ。ビッグデータに自分の情報を採られて解析されてしまうということは「気持ち悪くて怖い」。しかしその気持ち悪くて怖いことと、ビッグデータ分析されることで「あなたにこんなお勧めの情報がありますよ」と教えてもらうことと、その2つを天秤にかければ、実は後者の方が良いということはいろんな場面で言える。・・・・・・この続きは「現代ビジネスブレイブ イノベーションマガジン」vol069(2014年3月19日配信)に収録しています。

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