2014.03.25
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「世界一の投資家」に独占インタビュー ジム・ロジャーズ「日本経済に何が起きるのか、教えましょう」

日銀の政策は、株式トレーダーを喜ばせるだけ・消費税増税は最低最悪の愚策だ
週刊現代 プロフィール

それなのに、この2月22~23日に開催されたG20に出席した麻生太郎財務相が、GDPを今後5年間で2%以上上げるという共通目標について、「不可能ではない」などと語っていたので、驚きました。

2%の成長などは到底無理です。そもそもこうした国際会合というのは、いつも聞こえのいい夢のある物語ばかりが語られますが、それが実現することはめったにないものです。

'08年にリーマン・ショックが起きた後に、中国の成長が世界経済を牽引したような展開を再び期待する声も聞こえてきますが、それはありえないでしょう。

理由は簡単で、中国の「顧客」である米欧日の景気が失速していることでその悪影響が中国経済を直撃し、中国がかつてのような成長をすることができないからです。

中国政府は大気汚染対策や、鉄道システムの敷設に巨額マネーを投じると言っていますが、それで潤うのは中国経済の一部でしかありません。こうした政策を実行しても、以前と同じように強力に世界経済を牽引することはできません。

日本政府は、「5年で2%成長できる」などとありえない楽観シナリオを描いていないで、世界を騒がせているウクライナ情勢への対策を冷静に立てるべきではないでしょうか。

ウクライナ問題については、ドイツをはじめとするEU諸国がロシアの天然ガスに依存しているという構造を考えれば、すぐに有事に発展することはないでしょう。しかし、それは「今年は」という条件付きでしかありません。

世界の歴史を振り返れば、どんな戦争も、その発端はほんの些細な出来事であったりするものです。小さな事件があちこちで起きるようになり、気付いた時には深刻な戦争状態になっているというのが、歴史の教訓なのです。第一次大戦も、第二次大戦もそうでした。

翻って日本は、東アジアの本当に馬鹿げた緊張状態に直面しています。安倍政権の外交政策によって、日本と中国の間だけではなく、日韓間でもいさかいが起きています。

私は東アジアですぐに戦争が起きるとは思いませんし、それを望んでいるわけでもありませんが、政治家の失政が戦争を招くというのが歴史の必然です。

もし戦争という事態になれば、日本企業の株価が信じられないほどに暴落するのは言うまでもありません。日本人はなにが起きてもおかしくないと、身構えておいたほうがいいのかもしれません。

国家破綻はありえるのか

悲観的なことばかり申し上げているようですが、日本経済を復活させる手がないわけではありません。

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